nana

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『災厄の魔女』の脅威が消え、落ち着きを取り戻しつつある世界の、ほんの片隅。 魔女は、その存在を知られないように、ひっそりと暮らしていた。 かつてのように、ひとりぼっちではなく、ふたりで。 「しかしエーレ…あの頃から全然見た目変わらないのな…」 「む…失礼な。髪、伸びたでしょ。それに、アストより少しお姉さんになった」 「いや、生きてる年数でいうとババァ…」 スパーン。 どこから飛んで来たのか、箒が勢いよくアスト の後頭部に激突した。 「…お姉さんとお呼びなさい」 「はい…すいません…お姉さん…」 姿はほぼ元のままかと思いきや、長い年月をひとりで悲しみに明けて暮してきたエーレの貫禄は半端なかった。 以前よりもアストの立場は弱くなったような気がする。。。 長年エーレをひとりにさせてしまったことを、アストは更に後悔した…。色んな意味で。 「でも、うれしい。これからは、アストと生きていける。一緒に、歳を取っていける」 「俺だけジジイになるとかじゃなくて?」 素朴な疑問をぶつける。 幾度となくアストの蘇生を試みて失敗を繰り返したエーレは、もう、人の領域から外れた存在になっていた。蓄積された魔力により、自らの体さえ、時間の概念に縛られないくらいに。 つまり、不老不死。 「アストを元の姿に戻してから、あたしの魔力、どんどん放出していってる、わかるの。追っ手もこなくなったし」 生きとし生けるもの、必ず死は訪れる。 誰が決めたのか、そのルールに違反した者には世界からの鉄槌が下る。裁き、執行する者達がいる。 『死神』と人は呼ぶ。 「もう死神とやり合わなくて済むんだな…」 「あたしに蓄積されて手に負えなくなった魔力は、正しく還元されて、ゆっくりだけど世界は修復されるはず…。最近は傷も自然治癒では瞬時には治らない」 魔女の"涙"と呼ばれた大地を凍らせる氷の礫、 愛する人を失った悲しみにより、流す涙だと言われたそれは、エーレに蓄積された魔力の暴走だった。 「すぐ治らないのは困るな。お前しょっちゅう飯作りながらナイフで指切ってるもんな」 スパーン! 再びどこからともなく飛んできた箒が、前回同様、箒からは出ないようなイイ音を立ててアストの前頭部に激突した。 「す…すいません…」 「それに、残った魔力の大半は、お腹にいるこの子たちに受け継がれる」 「…えっ…!?」 昔から、驚いた時にピーンと立つアストの耳を見て、クスッとエーレは笑う。 「わかるの。今、あたしの中から感じる、まだまだほんの小さなふたつの魔力。双子の女の子たちが産まれてくるよ」 「…まじ…か。そっか……」 驚いた後、少し冷静になって、アストは黙り込んだ。 まさかの反応に、不安になるエーレ。 「嬉しくない…?」 おずおずと、アストの顔を覗き込む。 気づいたアストは、エーレの髪をくしゃっと撫でた。 (いや、嬉しいよ。エーレとの未来なんて、無いと思ってたから…) 側にいるエーレにも聴こえないくらいの小声で、呟いた後、 「じゃあ名前は…イリスとリンデだ…。。。それ、片方俺似で魔法からっきしだぞ」 「なんでわかるの!?」 今度はエーレが驚く。 「いや…会ったからさ…?というか寧ろ助けてもらった。きっと…うん、いや、絶対あいつらだ…。俺をエーレの所へ、導いてくれた子供達」 それを聞いて、エーレの瞳が、光を反射する。 「そっかぁ…そうだったのかぁ…イリスにリンデ…ありがとう…。あたしも早く、会いたいなぁ…」 「あいつらか…こりゃ大変だな…オチオチ何度も死んでらんねぇわ」 参った、と言わんばかりに、アストは頭を掻いた。 「アスト、あたしたち家族になろう」 凛としたその声は、年月を感じさせない、あの頃の続きのようで…今やっと、止まっていた時間が動き出す。 「それ、俺のセリフだし…残りの人生、ずっと一緒にいようぜ」 「うん」 「「みんなで!」」 …………………………… お借りした音源 モザイクロール【アレンジ伴奏】/獅子虎様 https://nana-music.com/users/10389108 最後まで変な話に使ってごめんなさい。。 …………………………… 🌻ご愛読(?)ありがとうございました。完。 できちゃった…(〃ノωノ) まぁ…子供登場させたら、そーなるわな。。 てか、ほんととことんイチャラブだなこの話…ww アストさん…1話で、むたまちゃんをたじたじさせるためだけに「すいません…」ってセリフ入れたばっかりに、 すっかり尻に敷かれてるキャラになったねw これ、なんかこの後エーレさんが人間側から狙われる話になりそうな気がしないでもない。。 でも、折角ハッピーエンドにしてあげたので、 そのまま末永く爆発してください。。 このテキトー設定で書きながら話考えたけど、自分でもどんな方向に進むのかまじでわかんなかったw(割とどの話もそうだけどw) まず、2話でアストさん殺した時点で、どーしよってなったw ところで、死神さんたちはなんで夜にしか襲ってこないのでしょう。 昼間は世界が活発に動いてて、そっちに回す余力がないってことにしよ。そうしよ。 アストさんとエーレさんの名前はほんとにテキトーで、ドイツ語でアスト(枝)エーレ(穂) ですが、子供達の名前はちゃんと意味がある名前にした。 イリス (菖蒲)良い便り、メッセージ リンデ (菩提樹) 夫婦愛、結婚 菖蒲は、日本でもアイリスとも言うよね。 最初は全くの他人で友達設定で書いてたけど、途中から、できるだけ簡潔に終わらせるために、もうふたりの子供にしよってなって、対等に話せる関係ってことで、双子姉妹になった。。 森で出会ったヘビさんには、 「生まれ変わること」や「復活」「死」「知恵」「受胎」「出産」など、色々意味があるそうですよ。まぁ…ヘビさんだもんな…(何) 〈追記〉 なんで双子が未来からやって来たのかについて考えみたw (設定後付けばっかだなこれ) ①双子を邪魔に思った存在が、 過去に戻ってアストとエーレを殺そうとする。 結果、エーレが災厄の魔女になる。 ②アストとエーレが健在で魔法が栄える時代に反感持った存在が、過去に戻ってエーレを殺そうとしたとこ、アストが死にそうになる ↓ 結果、世界が滅びる ↓ 双子は実はそいつの手助けをしたことになる。 テキトー設定なのに、 どっちにしてもまだ話続けようと思えば続けられるwww …………………………… ⚠️ここまで読んだ強者で、 まだイチャラブが読みたいって人向けwww https://nana-music.com/sounds/06652e1f (多分1話と2話の間。1.5話) …………………………… #モザイクロール #DECO27 #アレンジ #獅子虎 #コラボ用 #コラボ #小説

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