【声劇】夏の宵【台本】
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【声劇】夏の宵【台本】
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また来年。
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半袖のカッターシャツから覗く肌は白くて、太陽が反射して、風に靡(なび)く長い髪がきれいだった。
「暑いね、溶けちゃいそう」
君は本当に、夏の暑さを知ってるの。覚えているの。
僕は君の顔も上手く見れない。
パチパチとわかりにくく散る火花を見ている。
それだけしか、出来ない。
「また来年、花火しようね」
いつかも君はそう言った。
「これ、ありがとね」
君の手にある、茄子(なす)と胡瓜(きゅうり)。
太陽が僕らを照らして、誰もいない公園で線香花火は燃え尽きた。
夏も待たずに消えたくせに。
「せめて夜に来いよ、ばーか」
呟いた僕の声は、誰にも拾われず土にかえった。
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あなたの思うままに。
コメント
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- Kお借りさせていただきました!
- ゆうお借り致します!
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました😊
- ホホニカルお借りいたしました。🙇♀️
- 異灯音乃子お借り致します(`・ω・´)ゞ