【朗読詩】くじらのしっぽ〜無機質にさえ、いのち。
碧乃森 海。
【朗読詩】くじらのしっぽ〜無機質にさえ、いのち。
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たまには自作の詩を読むか。
海岸線を歩く少女の見た風景に
湿気った曖昧の奥、確かなものはありましたか?
レムの浜辺で満たしたい星に、目を醒ました時に浮かんだ涙は星を宿して
震えた季節に、雪として落とし込んだなら、砂は潤してくれた。
心に海鳴りを、貝殻に残しているのでしょう。
秋を透かす眼差しとは違い
足元で鳴る、いつの季節も枯れ葉と
動作ひとつで割る、流れる風の面影に、少女の解けた今が
背中側からだろう、たくさんの視線にぼやけた夜の縁日の仕立てを走りつづけ、寝転んでしまう。
音。引きずった脚と、さっきからの頭痛が歩みを早めている。
君の。
記憶に残らない、夜。
忘れられてしまう。1日。
忘れられてしまう。日々。
無かったかのような、過去。
想い出にもなれない、自分。
閉じこめられた、記憶。
閉じ込めてしまった、君の心。
外は吹き荒れる秋風。夜。
壊してしまう未来ばかりが、まぶたの裏に、
張り付いていて。
眠りを。割いて いる。
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