〈第2話〉秘密【中編①】
台本 由季
〈第2話〉秘密【中編①】
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【CEA】〈第2話〉秘密【中編①】
オリヴァー「…話が脱線したね。今日はその問題のカフェを下見に行ってきたんだ。」
クレア、セオ「「!」」
レイ「………オリヴァー。庇われた人のこと、私分かったかもしれない」
オリヴァー「ぶつかってきた男だね?」
レイ「………えぇ。顔色も悪かったし」
オリヴァー「彼に話を聞いてみよう」
ーーー
再会は案外すぐだった
ニコラスは史上最大の歓喜に包まれ、同時に史上最大の絶望に見舞われていた
ニコラス「…………え、えっと」
レイ「また会えたわね。私はレイ。貴方に話があるの」
ニコラス「素敵な名前だね。でも…レイ、後ろの人達は?」
レイ「私の大切な人と、仲間」
ニコラス「……!」
レイの愛しげな表情を見て、ニコラスの恋は儚く散った。だが、それもそうだ。彼は曲がりなりにも既婚者だ。愛こそないものの、政略結婚に応じ、浮気などすることもなく暮らしてきたのだ。そんな彼の気持ちなど知る由もなく、レイの想い人であろう男が一歩前に出て、にこやかに、それでいて自然に彼の両手をとる
オリヴァー「初めまして。昨日はレイを助けてくださったそうで、ありがとうございます。あぁ、申し遅れました。俺はオリヴァー。犯罪撲滅事務所の所長を務めています。まぁ、所謂、クライムコンサルタントです。」
ニコラス「え!あの、ちょ、」
あまりにも流暢に話すこの男に、ニコラスは内心スタンディングオベーションだったが、冷や汗が止まらない
オリヴァー「我々は貴方のお力になりますよ。理不尽に職を奪われたんですよね?」
ニコラス「………!な、なんで、それを?」
オリヴァー「信頼できるツテからの情報と、俺のちょっとした推理です。こんな昼間から出歩くなんて…休憩中でもないようですし、スーツを着ていらっしゃることから、職を探す途中なのか、もしくは、見つけた後かな」
ニコラス「………!」
見透かされているような気がした。
ニコラスの顔色は芳しくない。
というのも、目の前にいる彼の推測通り、ニコラスは職業探しの途中だったのだ。
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