〈第2話〉影と光【中編①】
台本 由季
〈第2話〉影と光【中編①】
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【Normal】〈第2話〉影と光【中編①】
レベッカ「もしかして、取り返そうと抵抗しちゃいました?」
女性「……はい、思わず。……振り払われちゃいましたけど」
律「…………(違う。この人は分かってて抵抗したんだ)」
ヤードとしての言い分が勝ったレベッカ
レベッカ「あまり、そういうことはしない方がいいですよ。」
一見、何も知らないように見える女性
しかし、その瞳は揺らいでいた
女性「………どうして?」
レベッカ「今回はその程度の傷で済みましたけど、突き飛ばされて、もし頭を打ったら?打ちどころが悪かったら、取り返すどころじゃありませんよ。………大切なのは分かります。でも、人の命と天秤にかけたら、どちらを優先すべきか、お分かりですよね?」
女性「………でも」
レベッカ「物は物です。でも貴女は1人。替えは利かないんですよ。」
"たかが物だ”とレベッカは暗に批難した
女性はその言葉に正気では居られなくなった
女性「…………………確かに、これは物です。でも、世界にたった一つしかないんです!これを送ってくれた彼は、もう、いないっ…!」
莉乃「……え?」
女性「私には勿体ないくらい、素敵な人だった……私なんかを庇ったせいで、彼は……」
その言葉に、彼女は分かってて、あえて抵抗したのだと、レベッカは悟った
言葉遣いが崩れるのを気にすることなく、レベッカは今度ははっきり批難する
それはつまり──
レベッカ「………………ねぇ、あんた死のうとしてたってこと?」
女性「……………………」
女性は答えない
レベッカ「………………(ため息をつき)バッカじゃないの」
女性「………え」
レベッカ「あんた、せっかく繋いでもらった命を投げ出そうとしてるんだよ?」
女性「…………」
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