【Ⅱ】蛇を想う錬金術師
読み手:妖狐 BGM:asano tobari様 台本:黒川 禄
【Ⅱ】蛇を想う錬金術師
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以下黒川様台本🦑
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遠い祖先は怪物だった。
蛇の髪をもち、目を見たものは石にしたという、メデューサ。
美しい姿を奪われた悲しい怪物。
己を蔑んだ多くの人間を石にしては青銅の腕で砕いていった。
最後に息絶えた場所に広がる砂の多くは、石にされた人間の物だと言われている。
残酷?ちょっと違うかな。
先に謂われのない罪で蔑んだのは人間だった。
大切にしてきた人間をそこまで徹底的に排除したのは、姉や子孫のためだと僕は思う。
結局想いは届かず、最後には殺されてしまった。
正しいか間違いかなんて考えるだけ意味をなさない。
けれどせめて、偉大な母の最後の願いは叶えよう。
「遅くなってごめんね。やっと来れたよ」
硝子のボトルを逆さに、砂に水を混ぜる。
長い年月をかけて作られた錬成陣が輝き、多数の泥人形を作り上げた。
そしてそれらは人の姿を成していく。
それに反して、身体が石になっていく。
やっと、あなたに会えるかな。
命を賭してメデューサの罪を償ったことを、僕は誇りに想う。
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