夜明けと蛍
リン
夜明けと蛍
- 32
- 4
- 0
リン🌌 Last song…
----------------
所属:Stellarium Dea
リン(CV:mosamo)
https://nana-music.com/users/337881
illustration:莱坂さち
《Lyrics》
淡い月に見とれてしまうから
暗い足元も見えずに
転んだことに気がつけないまま
遠い夜の星が滲む
したいことが見つけられないから
急いだ振り 俯くまま
転んだ後に笑われてるのも
気づかない振りをするのだ
形のない歌で朝を描いたまま
浅い浅い夏の向こうに
冷たくない君の手のひらが見えた
淡い空 明けの蛍
----------------
-Secret Story-
「…いらっしゃいませ」
ぼくはいつからここにいるんだっけ。
ぼくはどうして歌っているんだっけ。
何にも関心が持てなくて、自分にすら興味をもてず、なにもかもが分からなくなってきた。
一つだけわかることは、生きなきゃというどうしようもない焦燥感。
叔父さんはずっとここにいていいよって言ってくれる。
どうして生きたいのか、ぼくはなんの為に生きているのかも分からない。
お店の準備中に流れたラジオの曲を口ずさんだ。曲名も誰の歌かも分からない。
でも、ぼくの聞いた叔父さんは何故か泣いていた。
「凛くんの歌はきっとたくさんの人を幸せに出来る。だから、ここでもっと歌ってほしい」
それから僕は歌を歌い始めた。
集客が増えればいつもよりたくさんお金も貰えた。歌う理由が出来た。
そして、歌い終わるとぼくはいつもの場所に向かう。小さな山な上にある広場。
あまり人がいないそこではきれいな星が瞬いている。
静かで、何も感じない僕の心みたいで、落ち着く。
その日は珍しく先客がいた。
お店でもよく見る水色の髪の少女と、もう1人。
2人は今からここで歌うのだといった。
2人の歌を聴いていたら、僕も何となく歌いたくなった。
ALICEと名乗ったその少女は、そんなぼくともう1人の少女の手を取っていった。
「わたくしたちでユニット組みませんか!?」
それからぼくにまたひとつ歌う理由ができた。
Stellarium Deaの初ステージを見に来たおじさんから、その日初めて聞いたこと。
それは…
「初めて歌った日の凛くん、笑ってたんだよ。きみの笑顔を見たのは初めてで、おじさん嬉しかったんだ」
今もぼくは笑ってるのかな。
自分じゃ、見えないや。
でも、歌がこんなに楽しいなんてひとりじゃ気づけなかった。
もっと歌いたい。これからも、たくさん…!
----------------
アバター名:リン
本名:汐瀬凛
《その他SS内関係性》
ALICE:お店の常連。Stellarium Deaのメンバー
もう1人の少女:Stellarium Deaのメンバー。テト
叔父さん:凛のバイト先の店長。親戚のおじさん。
コメント
まだコメントがありません