【声劇台本】あんたとあいつとダメな俺
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【声劇台本】あんたとあいつとダメな俺
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蝶々Pの代表作のひとつでもあるAbout me。昔からよく聴く曲だったのですが、素敵なアレンジを見つけたのでパッションのままに書きました。原曲の歌詞からつくったので、実質二次創作です(?)。アダルトな雰囲気で、ちょっぴりクサい台詞回しがやりたい人にどうぞ。
ご利用の際は、良識あるコラボのご協力をよろしくおねがいします。
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あんたがいなくなって、どれくらいが経ったのだろうか。具体的な数字にしちまったら、あんまりに無粋だ。長いとか短いとかと言葉にするのも野暮だ。
煙草に火をつける。甘い煙が俺の肺いっぱいに流れ込んでくる。あんたが嫌っていた気に入りの銘柄だ。今じゃ気にせず吸える。あいつは嫌がらないから。
ベランダに出れば雨の夜。しとしと降る春の雨は生暖かい。あんたが俺を置いていっちまった日は、冷たい秋の雨がざあざあと降っていた。今日みたいな日は思い出さなくて良い……とは言いつつ、こうして一人、昔の女を想ってるんだから雨の夜はいつだって囚われの身だ。
あんたとあいつは、何一つ似ていやしねえ。だってのに、俺は度々あいつと過ごしていてもあんたを思い出すんだ。否、だからこそだろうか。あいつのはつらつとした明るくて高い声が、時折癇(かん)に障る。あんたの低くてぼそぼそとした可愛くねえ声が懐かしい。
全く、嫌んなっちまうぜ。
俺は、もうどうにもならない女に「さよなら」を言えないダメな男だ。2人とも愛しているというのはダメだと分かっちゃいる。特に、あいつもちゃんと愛しているから。……情けねえこの俺は、どうすりゃ良いってんだ。
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BGMは あきと様アレンジの About me をお借りしました。
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