【和風台本】一本の桜と男③【声劇】よんでみました
詢
【和風台本】一本の桜と男③【声劇】よんでみました
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とある雪山に、この世で一等美しい花をつける桜があるそうな
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題名『一本の桜と男』作者:詢
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桜の精は男に、自らの花弁は桜としては醜く
それ故に色付けることを嫌っているのだと話した
男「桜の精よ。何も焦がれ比べることはない。
確かに桃色の桜は雅で美しいが、
お主の美しさは、お主だけのものなのだ。」
桜の精「私(わたくし)だけの…」
男「お主はこのまま立ち枯れて良い木ではない。
花を輝かせ、春風に枝をたゆませながら舞い
この雪山を、おのが色で染め上げてみせよ」
そう男が力強く説いた時、桜の蕾に雫がひとつ跳ねた
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その年の春、雪山の咲かずの桜が初めて花を見せたという
それはしたたかに清く煌めく、美しい色だったそうだ
男「ほお…実に美しい…」
桜の精は初めて、嬉しそうに微笑んだ
男「…御衣櫻姫(ぎょいおうひ)、というのはどうだろう。」
桜の精「御衣櫻妃…」
男「お主の名だ。」
桜の精は笑みを深め、愉しそうに枝を揺らし
男へ花弁を運んだ
とある雪山に、この世で一等美しい花をつける桜があるそうな
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伴奏と合わせ、鳥肌をぶわぁっと立たせながらよみました!
ありがとうございました!
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