声劇 【無題】
台本:ヒロぼう様 BGM:haruki様
声劇 【無題】
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ヒロぼうさんが別のSNSであげていた文章です。
「読みたいな~」と言ったら🆗貰ったので読ませて頂きました🤭
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あちこちで燃える建物が煙を吐く最中、塔をのぼっていた。らせん階段の窓から見える戦慄の光景から逃れるように上を目指した。そうしてずいぶんと経ったころ、階段の途中で位の高い人に呼ばれて小さな扉の前に立たされた。なんとなく、自分は死んだのだと思った。
扉のなかは部屋というにはあまりにも広い空間で、礼拝堂のような場所だった。大勢の人がそれぞれの座卓に向かって声を上げていた。案内された席には大きな本が置かれてあり、私はそこで祈らなければならない様子だった。ふと隣の席を見てみると知っている人の顔があった。
その人は以前の同僚で、何年か前に亡くなったと聞いていた。再会が懐かしかったので自分から声をかけてみた。久しぶりですね、私は何年何月何日に死にまして、と言いかけて、私の死んだ次の日が弟の誕生日だったことに気がついた。おめでとうを言っていなかったのが心残りだった。
妻から弟に伝えてもらえないかなと考えたが、そもそも私は妻と会話ができるのかもわからない。とたんに、もう妻がそばにいないということが心細くなり、寂しさに恐ろしくなった。
コメント
2件
- 🌵Comic🐎🏜️🌵
- ヒロぼうすごいです👏朗読すると作品のクオリティが上がった気がします!ありがとうございます\(^ω^)/