一人声劇【死んでいないだけ】

読み: 様　BGM:haruki様　台本:春

ただ、死んでいないだけ ※世界観を変えるアドリブ・改変× ※一人称・言い回し・語尾の変更〇 ※多少のアドリブ〇 ※ゆっくり目にに読んでちょうどいいはずです ↓以下台本 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自分の身体じゃないみたいだ。 もがく手足は鉛のように重く、 頭は靄（もや）がかかったように動かない。 光を求めて必死にもがいて、 ようやく水面に顔を出しても、 すぐにまた水に飲みこまれる。 暗い水の中。 冷たい水の中。 伸ばした手は届かず。 あげようとした声は響かず。 涙は水で流される。 はじめは水なんてなかったはずなのに。 少しずつ水位をあげる水に気が付かず、 いつの間にか逃げ場を失っていた。 まだ溺れきっていないから助けてとも言えず。 少しずつ首を絞められるように、 迫る終わりに怯え続ける。 誰か気づいて。 誰か助けて。 誰かこの腕を引っ張って 心では願っても、言葉にはならず。 泡となって消えていく。 もういっそ、完全に溺れてしまえたらいいのに。 そうすれば恐怖から解放される。 これはきっと、生きているんじゃなくて ただ、死んでいないだけ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー #春の台本 #掛け合い #二人声劇 #声劇台本