〈第1話〉向日葵 【中編②】
台本 由季
〈第1話〉向日葵 【中編②】
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【CEA】〈第1話〉向日葵 【中編②】
オリヴァー「我々の仕事は、この国の悪の元凶をひとつ残らず滅ぼすことです。」
ミシェル「………悪の元凶……滅ぼす」
オリヴァー「表向きでは、犯罪の撲滅を掲げていますが。ミシェルさん、貴女は正義が悪に打ち勝つのを当然だとお思いですか?」
ミシェル「………当然……考えたこともありません。」
オリヴァー「俺にとっての正義は、必要悪となることです。目には目を。歯には歯を。犯罪には犯罪を、とね。」
望んで悪に手を染めるなんて、どれほどの覚悟や勇気をもっているのだろう、ミシェルは不思議に思う
ミシェル「………必要悪。どうして?」
オリヴァー「この国は歪んでいる。俺は、しがらみのない自由な世界を創りたい。誰もが安心して暮らせる世界に。すべての悪人を排除すれば、この国は美しいものになると思いませんか?」
彼の言うことは決して現実的ではない。しかし、自然と信じられるような、そんな神聖さを感じた
ミシェル「………そうすれば、かみさまはもう苦しまない?」
オリヴァー「勿論です。最後に一つだけお聞きしたい。貴女はかみさまの隣りに居たいのか、かみさまを自分だけのものにしたいのか、どちらですか?」
ミシェルは思案する
愛する人を自分だけのものにできたら、どれほど幸せだろう。しかし、彼女にそこまでの勇気はなかった
ミシェル「………………わたしは、あの方が幸せなら、あの方が笑っていられるなら、それよりも重要なことはありません。」
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