〈第1話〉邂逅【前編②】
台本 由季
〈第1話〉邂逅【前編②】
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【Normal】〈第1話〉邂逅【前編②】
若干身構えるウィリアムに、イリスは勢いよく言い返す
イリス「お姉ちゃんは不用意に喧嘩はしないわ!どちらかというと、わたくしが原因ではあるけれど…」
ウィリアム「おっと、これは失礼 」
気を取り直して、イリスは軽く咳払いをする
イリス「髪はわたくしとお揃いなんだけどね…オッドアイでとっても綺麗な目をしてるの!ある人は、右目は夜空で、左目は海って言ってくれてね。お姉ちゃんの目を綺麗だって褒めてくれたの。」
イリスの言う特徴がある人物と似ていることにウィリアムは気づく
ウィリアム「………待って、知ってる気が…」
イリス「ほ、ほんと!?」
イリスは思わず立ち上がる
ウィリアム「ちなみに、お姉さんの名前は?」
イリス「アリスティア、だよ。」
聞こえた名前にウィリアムは、勢いでイリスの両手を握る
ウィリアム「イリス!君の探し人は、俺の友達だよ!」
イリス「え!ほんとに!嘘じゃない!?」
ウィリアム「アメリカンジョークは得意だけど、よく知らない人を友達とは言わないさ!」
イリスは感極まり泣きそうになる
イリス「……お姉ちゃん、会いたい…」
そんな泣きそうなイリスの表情を見て、ウィリアムは握っていた両手をそっと解放し、知りたかったであろうことを問いかける
ウィリアム「……ねぇ、イリス。言いたくないことだったらいいんだけど、どうしてアリスちゃんと離れることになったんだい?」
イリス「………守るために」
ウィリアム「守る?」
イリス「………昔からね、私たちは狙われやすかったの。ほら、こんな髪してるでしょ?…お姉ちゃんはわたくしよりも、たくさん狙われた。あんなに綺麗な目をしてるんだもん。珍しがった悪い大人に、売られそうになって…その度にお姉ちゃんが追い払って、逃げて、その繰り返しだった。でもね、そんなわたくしたちを引き取ってくれた優しいひとが居たの。」
ウィリアム「…………」
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