伽月-終わりゆく世界-編☪︎第3話《ちいさな命と花》
☪︎OBM☪︎伽月
伽月-終わりゆく世界-編☪︎第3話《ちいさな命と花》
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☪︎Once in a Blue Moon☪︎
another Edition
〜katuki Draw to an end〜
伽月☆貴女に出逢ったのは貴方が産まれた日の事だった。この世界に産み落とされ父も母も知らず貴女は森の中で泣いていた。
実体を持たない我々妖精は人間に触れることが出来ない。泣き止まない貴女をあやすことも誰かに託すことも出来ずに…見るに見兼ねてそっと花を隣に置いた瞬間…貴女は綻ぶように笑った。
あぁ…人間ってこんなにも愛おしいものなんだとその時にやっと彼女の気持ちがわかった。
たまには私の気持ちもわかってくれる?と木陰から悪い微笑を浮かべた。元森を統べる妖精はひっそりと村長を訪ね貴女を保護するように取り計らってくれた。
それはもう悪い微笑みを私に向けながら。
あれから貴女はすくすくと育った。心の優しい子に…身内がいないゆえか植物に話しかけたり、他の子のお世話をするのが好きな少女に育っていった。
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