“ 飽きるまで呑もう ”
𝐇𝐚𝐩𝐩𝐲 𝐁𝐢𝐫𝐭𝐡𝐝𝐚𝐲 𝐌𝐀𝐘𝐎𝐈 🎂
-----------------------------
🍺 真酔
cv.古町( https://nana-music.com/users/1619429 )
夢を見失った若者たちは
希望を求めて文学を
はたまた汗まみれのスマートフォンを
握り締めて詩を書き溜める
ハロー、絶望
こんなはずじゃなかったかい?
でもね、そんなもんなのかもしれない
僕らに足りないのはいつだって
アルコールじゃなくて愛情なんだけどな
夜を越えるための唄が死なないように
手首からもう涙が流れないように
無駄な話をしよう 飽きるまで呑もう
僕らは美しい
明日もヒトでいれるために愛を探してる
-----------------------------
「お疲れ様でした」
仕事を終えて店舗を出る。1月なんて冬の真っ只中でまだまだ寒い。冷たい風から身を守るように段々と冷えていく手をポケットに突っ込んだ。
社会人になると誕生日なんて関係なく仕事だ。いつもと変わり映えのない1日だった。まぁ嫌いではないんだけれど、なんてかなり曖昧な気持ちを消すかのように大きく溜息をつく。考えても意味の無いことを考えるのはやめよう。冷たい空気の中、足を早めてワンルームへの道を急いだ。
ネオンの光る街の中にポツンとある如何にも重そうな扉を開くと暖かい空気に包まれる。カランカランとなるベルと共に明るい歓迎の声がした。
「誕生日おめでとう、真酔ちゃん~!」
「真酔ちゃんおめでとう!」
「おめでと、真酔~」
それぞれの祝福の言葉に思わず笑みが零れる。
コートを脱いで席に座ると、店長の作ったであろうケーキが運ばれてきた。
「皆から頼まれて真酔の為にお酒も用意してあるけど……飲む?」
店長はケーキを置いてにっこりと微笑む。前に座る灯を見ると「どうぞ」と言うように頷いていた。
「じゃあ1杯、お願いします」
そう言って出てきたのは珈琲のお酒、自分ではあまり飲むことの無いそれは凄く美味しかった。
「真酔ちゃんは今日もお仕事帰りなの~?」
「そうそう、おまけに残業」
「誕生日なのに大変だったんだね……」
「そんなおつかれの真酔はケーキも沢山食べちゃって~」
いつもと変わらない談笑の中に紛れる 誕生日の特別感と皆の優しさに幸せを感じる。
「ありがとう、皆」
普段あまり面と向かってしっかりと言うことの無い言葉が少しこそばゆい。そんな気持ちを悟られないように煙草に火をつけた。
-----------------------------
【1R】
“夜の部屋”をコンセプトに掲げたオリジナルユニット
Twitter @1R_night
コメント
まだコメントがありません