山月記 朗読
中島 敦
山月記 朗読
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#P30
どうやら400サウンド目だそうです!
これからも楽しくnanaで遊んでいきます♪
記念に山月記の朗読に挑戦してみました。難しいっすねぇ。
rito♫様の素敵なピアノ演奏お借りしました!ありがとうございます。
山月記
人生は何事もを為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。
己よりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる詩家となった者が幾らでもいるのだ。虎と成り果てた今、己は漸くそれに気が付いた。それを思うと、己は今も胸を灼かれるような悔を感じる。
己には最早人間としての生活は出来ない。たとえ、今、己が頭の中で、どんな優れた詩を作ったにしたところで、どういう手段で発表できよう。まして、己の頭は日毎に虎に近づいて行く。どうすればいいのだ。己の空費された過去は?
己は堪らなくなる。そういう時、己は、向うの山の頂の巖に上り、空谷に向って吼える。この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいのだ。己は昨夕も、彼処で月に向って咆えた。
コメント
2件
- ゆと
- バキャラ400!!!すごい!!! おめでとうー!!! これからも素敵なサウンドを、たくさん届けてくださいませ(´ω`*) 楽しみにしております🥰!