エピローグ
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エピローグ
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ラストライブ終了から数日後____
Twinkler+Twinsのメンバーは、ユアに連れられて、元の世界に帰れる扉があるという場所へと向かっていた。
サクサクと草を踏み締め、森の中を進んでいく。
📱「…情報によると、こちらの扉から帰れるそうです」
ユアはにこりと微笑み、手を扉の方へと向けた。
🍮「これが、扉…」
🐈「ほ、ほんとにここから帰れるの…?」
ミユとモモが思わず顔を顰める。
後から扉を見たメンバーも、それぞれ訝しげな反応をみせた。
ユアが手を向けている扉は、もともと禁書によって開かれた扉だからか、赤黒く禍々しい雰囲気を纏っていた。
📱「…最後に一度だけ、私を信じてくださいませんか?」
ユアは真剣な目でメンバーひとりひとりを見つめた。
メンバーは考え込むような素振りでその場に立ち尽くしていたが、最初にリカが動いた。
🍰「…信じます。わたしたちをここまでサポートしてくれたあなたが、ここでわたしたちをどうにかしようとするようなことはないと思いたいから」
📱「…!」
🍮「リカ…。うん、私も。」
🐈「あたしも信じたい!」
💍「あたしも!」
🐕「わ、私も…!」
リカに倣うように扉へと歩みを進めていく4人を、ミレイは静かに見つめていた。
🛍「…」
📱「…やはり、信じるなんて難しいですよね、ごめんなさい。でも…元の世界に戻るためには、どうしても信じていただかなくてはならないんです」
🛍「…信じていないわけではありませんよ、ユアさん」
ミレイは扉の方へ少し歩みを進め、ユアのほうを向いた。
🛍「ひとつ、よろしいでしょうか。…ユアさんは結局こちらの世界の方、なんですか?」
📱「!……ええ、そうですね。たまたまあなた方の元の世界を知っていた、"こちらの世界の人間"です。…謎ばかりの案内人のことは、どうか忘れてくださいな。」
哀しそうに笑うユアに、ミレイはなにか嫌な予感がした。
🛍「…あの。…いえ…なんでもありません」
しかし、それを口にしてはいけないと察したミレイは、首を横に振って押し黙った。
💍「ユアさん、そんな寂しいことを言わないでください!…本当に、お世話になりました」
📱「…その言葉を、私が受け取るわけにはいきません。すべては、私の身勝手な行為なのですから…。本当に、申し訳ありませんでした。」
🐕「どういうことですか…?」
📱「さあ、もう時間がありませんよ。この扉が閉じたら、二度と帰れません。急いで」
Twinkler+Twinsの面々は動揺しながらも、ユアに別れを告げ、扉へ向かっていく。
📱「あなた方を使うような形になってしまったこと…、すべて始まってから気がついた私を、どうか許さないで」
最後のひとり、ミレイが扉をくぐると同時に扉は消滅した。
📱「…どうか、彼女たちがこの先、華々しいアイドル人生を送れますように…!」
ポニーテールの女性は、静かにそう願った。
*
朝の日差しを感じて、ミレイは目を開けた。
見慣れているはずなのに、なぜか懐かしく感じる自室に首を傾げる。
…なんだか、長い夢を見ていたような。
だんだんと意識がはっきりしてきて、別の世界にいたことを思い出す。
🛍「っ!レイナ!」
隣の部屋にいるレイナに声をかけると、眠そうな声が返ってきた。
やがてドタドタと部屋から出てきたレイナが、ミレイを見て安堵の表情を浮かべた。
💍「あたしたち、帰ってこれたんだね!!」
🛍「ええ!よかったわ。…日付も飛ばされた次の日になってる。…みんなの無事も確認しましょう」
各々スマホを開き、少々ブランクがあり指の滑りは悪くなっていたものの、きちんと全員にチャットで連絡を送ることができた。
数分経つと全員から連絡が返ってきて、全員の無事が確認できた。
💍「みんな無事でよかったぁ…!」
🛍「そうね、本当に良かったわ。…今日はちょうどオフの日だし、うちにみんなで集まりましょう」
💍「賛成!」
ミレイはその旨をチャットで送り、全員の返信を確認するとスマホの電源を落とした。
*
数分後、Twinkler+Twinsのメンバーは、ミレイとレイナの家に集合した。
彼女たちは泣きながらお互いの無事を喜び合った。
🍰「みんな無事でよかった…」
🍮「ほんとね…」
🐕「誰か、いなくなっちゃってたらって、すっごく不安でぇ……」
🐈「あたしも怖かったぁ…」
💍「うんうん…」
🛍「……またこうやって集まれて、本当に良かったわ。だけど…私たち、あの世界でどう生活していたんだろう…」
うーん、と全員が首を傾げる。
誰かが、もしくは何かがあった気がする。
全員にそういった記憶はあるものの…、それが何かを思い出すことはできなかった。
*
双子のみで結成されたアイドルグループ、Twinkler+Twins。
🛍「皆さんこんばんは!」
🌟「Twinkler+Twinsです!」
彼女たちは今日も笑顔で、星のように明るく輝いている。
fin
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