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Vivid BAD SQUAD/Ayase
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俺は「優秀」だった。
勉強も運動も人並み以上、いや、かなりできた。
顔だってこの顔だ。容姿端麗と言って良いだろう。
物心ついた頃には周りからチヤホヤされていた。
小中高と何も問題無く楽しく過ごしていた。
話すことも得意だし、友達や恋人には困らなかった。
困らなかった。何も。
何をしても“上手く”いって、賞賛の声を浴びる。
“努力”や“嫉妬”が分からない。全て簡単に手に入るから。
ある時ふと思ってしまった。
「俺にとってこの世界は過ごしやすく、そして、
憂鬱だ。」と。
そう、どこかで気づいてしまった。
心の糸が切れるなんて表現した人は凄いと思う。
本当にその通り。何かがプツンと切れた気分だった。
その日から俺の世界は、まるでモノクロ映画のように映るようになった─────
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大学の入学式が終わった後。
一緒に来ていた両親、妹と別れ、帰宅を装い逃避行。
高校生時代にモデルの仕事で稼いでいた、10代にしては莫大な額の貯金を、入学費として家に送った。
迷惑をかけたくなかった。
それからは色んな事をした。
居酒屋のホールスタッフ、レストランのキッチン、アミューズメント施設のスタッフ、テーマパークのスタッフ、商業施設の清掃員、ホテルのスタッフetc…………
業績と顔の良さで注目を集め、出世しそうになったりメディアへ露出しそうになったら辞めた。
どれをやっても、今までと変わらなかった。
「生きている心地がしない。」
それなのに息苦しさだけ感じていた。
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度々、深夜3:00くらいに実家へ帰っていた。
誰にもバレないよう、こっそりと。
寝ている両親と妹の顔を見ては、
自分の現状に嫌気がさした。
妹の机の上には、宛先が書かれていない封筒の中に
俺への手紙が入っていた。
大学での事や友人との事、愛猫の事、将来の夢の事。
俺を待っているという事。
始発電車を待つこと1時間半。改札前、駅の階段に座りながら、これからどうするかを考えては辞めを繰り返す。
そうして電車に乗る時刻になる。
後日、妹への手紙を出す。
ちゃんと届いたかは分からない。
差出人の住所を書いてないから。
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22歳も終わろうとしている頃。
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誰もが突然に始まった
デタラメなシナリオの上で
それは映画のような
まるで映画のような
どこにでもあるストーリー
間違いだらけの道のりだ
丸付けられるのは幾つだ
何が良くないのか
何処が良くないのか
そこまで教えてくれよ
明け方の妄想
貴重な逃避行と
勘違いの英雄ごっこ
もう渋滞してんだ
どうしようもこうしようもないよな
こんなはずじゃなかったよなって
どんなはずだったんだよなって
思えば思うほど
まだここじゃ
ないない
終わりじゃないから
向いてないない
なら書き変えてしまえよ
ほら大体
いつもいつでもきっと
主役は僕だけだろ
いつの日かバイバイ
終わりはくるから
拍手喝采
笑顔でカーテンコール
変えたい未来はここにあった
思うままに好きなように
これはそうだ
最底辺から駆け上がった
映画のようなストーリー
#みのらい非公式 #シネマ #パイナポー兄さん
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