古びた便箋が床にちらばっている_________
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カーテンを揺らす柔らかな春風。
触れれば冷たいガラス越しの入道雲。
姿も知らない金木犀の香り。
暖かな静寂に降る雪の音。
ここはボクら二人の箱庭。
二人ぼっちのユートピア。
今日も朝日が昇ったら、ポプラの綿毛にダイブしよう。
明日も小鳥が留まったら、声を揃えてセッションしよう。
クリームたっぷりのパンケーキ。
ボクのを一口あげるから、キミのもちょっぴりちょうだいね。
さぁ起きて。
純白のドレスでお辞儀を一つ。
手を取り合って扉をくぐれば、ここは華やかなダンスホール。
踊ろう、ボクのお姫様。
歌おう、ボクの王子様。
くるくるくるくる。
いつまでも。
キミがいればボクは何にでもなれる。
キミがいればボクはどこにでも行ける。
大好きだよ、ボクのキミ。
だから、今日も踊ろう。
だから、明日も歌おう。
だから、さぁ起きて。
起きて。起きて。起きて起きて起きて。
ここはボクら二人の箱庭。
一人ぼっちのディストピア。
無機質な病室も、硬いベッドも、耳障りな放送も、味気ない食事も。
全部全部、キミがいたから。
小さく無垢な白い箱。
手のひらサイズの白い箱。
心配はいらないよ。
ボクもすぐに逝くからね。
キミの待つ、新しい箱庭へ。
くるくるくるくる。
いつまでも。
大好きだよ、ボクのキミ。
花咲く庭で、また踊ろう。
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そっと開いたドアの向こうに
壊れそうな世界はある
朝が来るのか
夜になるのか
迷いながらひかりは綻びて
声が呼ぶまではもう少し遊ぼう
花のように廻る時を繰り返し
夢はこの部屋の中で
優しい歌をずっと君に歌っていた
何がほんとのことなの
一番強く信じられる世界を追いかけて
君の銀の庭へ
∞----------------------∞
左:ヴーシュット❁ぽぷら
https://nana-music.com/users/8159800
右:カサネ𓆸昇
https://nana-music.com/users/7972469
text/character design: friends
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