Poppin' Bubbles
💘リアナ💭シンシア
Poppin' Bubbles
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しかし、この代の人魚姫は人魚の涙を流すことが出来なかった。
代わりに、ごく普通の人魚の女の子に、人魚の涙が受け継がれてしまったのだ。
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「ど、どど、どうしよう……!!!迷子になっちゃった……!!」
セーラはさまようように海を泳いだ。勢いよく泳ぎ出したまでは良かったのだが、
🌼「なんのヒントも無しに、コスモを探し出すなんて、無理だよね……」
手がかりがないのだ。人魚になったとはいえ、泳ぎ続けていれば、疲れもたまる。セーラはゆっくりと海の底へ泳いでいくと、大きな岩にそっと腰掛けた。
ひやりと岩の表面から、冷たさが伝わってくる。その冷たさが心地よくて、セーラは目を瞑った。瞼の裏に、最後に見たコスモの姿が染み付いている。楽しそうに笑う、彼女の姿がふわりと頭に浮かんでは消える。
🌼「やっぱり、行かなきゃ……でも、どこに……?」
セーラは膝を抱えるようにして、背中を丸くした。寂しさや不安がじわじわと心を蝕んだ。
💘「あれぇ?新入りさん?」
💭「ほんとだね。見たことない子だ」
ふと顔を上げると、キラキラと眩しく輝く赤の鱗を持った少女と、青空のような透明な水色の鱗を持った少女が、好奇心に満ちた表情でセーラを覗き込んでいる。
💭「何か困っているのかい?」
💘「迷子さんなの?」
🌼「あ、えっと、そう、迷子になっちゃって」
恥ずかしげに、そして、不安げに、セーラは答えた。すると、シンシアとリアナは顔を見合せた。
💘「案内してあげようよ、シンシア!」
💭「困ってる奴は放っておけないね。でも、そんなに簡単に信用していいのかい?危ない奴かもしれないだろう?」
💘「危なくなんてないの!」
💭「根拠は?」
💘「無いの!!でも、困ってるんだよ?助けなきゃ!!」
💭「……リアナ。君は、ほんとお人好しだ」
💘「いざとなったら、シンシアが守ってくれるもん」
💭「はいはい。じゃあ、行こうか」
シンシアはやれやれと首を横に降ると、セーラに手を差し出した。セーラは恐る恐る、その手を取った。男勝りな話し方に反して、その指は白魚のようだ。怯えをぬぐい去るように、シンシアはぎゅ、とセーラを握ってやった。
🌼「ありがとう」
💭「気にするな。感謝するなら、リアナにしてくれよ」
💘「あー!!ずるーい!!私もシンシアと手繋ぎたいの!!!」
💭「じゃあ、君はこっちな」
💘「わーい!!……ところで、」
💭「ん?」
💘「どこに行くの?まだ聞いてないよ?」
○○○
💭「先程はすまなかったね。僕はシンシアだ。呼び捨てで構わないよ」
💘「リアナはリアナなの!!」
🌼「私はセーラっていうの。よろしくね」
💭「ああ、よろしくセーラ。それで、どこに行こうとしていたんだい?」
🌼「コスモを、探しているの。もう何年も会えていなくて」
コスモという名前を聞いて、リアナは少し目を見開いた。
💘「リアナ、コスモちゃん知ってるのよ」
🌼「本当に!?どこにいるの!?」
💘「知ってるけど、会いに行くのは、難しいかもなの」
リアナはゆっくりとセーラの背後を指さした。セーラはそちらに目を向けた。大きな建物がある。遠くにあるのであろう、その輪郭は霞んでよく見えない。しかし、確かにそこにあるのだ。
💘「シュラミット様の宮殿なの。あそこにいるのよ、コスモちゃん」
💭「宮殿って……どうしてそんな所に」
💘「ううん、わかんないの。でも、あそこにいるの」
🌼「あそこに、コスモが……行かなきゃ……」
セーラは、シンシアの手を振り払い、ふらりとそちらへ泳ぎ出そうとする。しかし、それを2人は押しとどめた。
💭「作戦もなしに飛び出すのは危ないよ。彼女に会う前に、死んでしまうかもしれない」
🌼「そんなこと言ったって、どうしようも無いじゃない。私はどうしてもコスモに会いたいの!」
💘「じゃあ、リアナ達も手伝うの!!」
🌼「手伝ってくれるの?」
💘「うん!」
リアナは大きく頷くと、もう片方の手もシンシアの手と絡めた。そして、シンシアと額をこつんとぶつけた。
💘「きっとね、コスモちゃんはセーラちゃんの大事な人なの。大事な人と会いたいって、一緒にいたいって思うのは、当たり前なの」
シンシアは少しだけ頬を赤らめて、ふい、とそっぽを向いた。
💘「だから、セーラちゃんのお手伝いするの!」
💭「ん゛んっ……まあ、そういうことだ。君の大事な人探し、手伝うよ」
🌼「何から何まで、ありがとう」
セーラは、少し落ち着きを取り戻して、にこりと微笑んだ。それを見て、リアナとシンシアも微笑みかえした。
ライター:penguin
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【歌詞🧜♀️】
(💘)伝わるといいななんて 思うだけじゃきっと
気持ちの欠片さえも あなたには届かない
(💭)一番言いたい言葉 簡単なふた文字
なぜか出るのは憎まれ口なんだ
(💘)海の底から 見上げたらお日様が
波に合わせて 揺れてる
(2人)照らしてよ
(2人)輝いて のぼる泡に思いを込めた
あなたにね 届く頃には弾けるんだよ
(💭)輝いて のぼる泡を見送る私は
(💘)あなたにね あなたに会えるときを待っているから
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【出演🧜♀️】
リアナ役💘Type‐L リム
代役cv.にな。
▷https://nana-music.com/users/7749623
シンシア役💭Type‐N ニア
cv.しぃな
▷https://nana-music.com/users/1278084
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【Tag🧜♀️】
#カラクリDolls
#リム
#ニア
#人魚の涙と深海のアリア
#PoppinBubbles
#アイカツ
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素敵な伴奏ありがとうございました✨
#アイカツ
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