セオ 前編①
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セオ 前編①
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前編①
男女の怒鳴り声が聞こえる。
窓もカーテンも締め切られた薄暗い部屋には、少年と少女が寄り添って座っていた。少年は幼い頃のセオ・フィード、隣の少女は妹のレノ。2人の前では1組の男女が言い争っている。
父「おい!いつまでこいつら置いてるつもりだ!?」
母「しょうがないじゃない!私だって仕事で忙しいんだから!」
父「俺だって忙しいんだ!今日は休みなんだから今から捨ててくればいいだろ!」
母「嫌よ!触りたくもない!あんたが行きなさいよ!」
父「俺は仕事で疲れてるんだ!」
レノ「……っ!(ゴホゴホと咳き込む)」
ひどく咳き込むレノの背をさするセオ。
セオ「レノ…辛いよな…ごめん。俺が頼りないせいで」
セオ「俺に力があったら……お前を連れ出せたかもしれないのに」
レノ「しょうがないよ。……きっとそういう運命だった。それだけ…っ!(さらに咳き込む)」
セオ「レノ!レノ!?」
父「…さっきからうるせぇな!今すぐ殺してやろうか!?まずはお前からだ」
レノ「…いや!お兄ちゃんは殺さないで!お願いっ!(咳き込む)」
セオ「レノ!」
母「ねぇ、早く終わらせてよ」
父「たくっ、俺はガキなんていらないって言ったのによ!」
言いながら、父親はセオを殴り、足蹴にする。セオは気を失ってしまう。
セオ「っ…」
レノ「お兄ちゃん!いや!お兄ちゃん起きて!」
レノはセオに駆け寄る。
父「さて、次はお前だ」
レノは立ち上がり、逃げようとする
レノ「っ!……助けて、…お母さん」
母「私はあんたの母親なんかじゃない!」
レノ「……嫌」
父「可哀想にな。今すぐ楽にしてやるよ」
壁際に追い込まれるレノ
父「終わりだ。」
レノは、首を絞められる。
レノ「…っ!」
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