朗読 「 箱 」
台本 たかし。 読み手 あやこ。 BGM 無名様
朗読 「 箱 」
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パタン。
どうやら僕は、箱に住んでいたみたい。
自分でも知らなかったんだけど、そうみたい。
時々ね、顔を出して外を覗いてみる。
そうすると、みんなが声をかけてくれる。
パタン。
そうして僕は、箱の中で過ごす。
パタン。
でも、最近気がついたんだ。
みんな僕がこの箱に居るのを知ってるけど、
すぐ脇を友人たちが歩いて行くけど、
そういえばずーっと、外からノックした人はいない。
そういえばずーっと誰も、外から声をかけてはくれない。
自分から外に出なきゃ、と思うけど、
自分が出なかったら、もうそのままなのかなとも思う。
気が付けば、昔からそうだったのかも。
でもそれでも普通だと思ってた。
そう考えたら、箱を開けられなくなった。
開けるのが、怖いのかな?
誰かが開けてくれると、信じたいからかな?
臆病な僕は、箱を開けられない。
そうして、今日も箱がひとつ、そこにある。
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#たかし台本は #たかし声劇は
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