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その日は随分と平凡で
当たり障り無い一日だった
暇つぶしに聞いてたラジオから
あの話が流れ出すまでは
「非常に残念なことですが、
本日地球は終わります」と
どこかの国の大統領が
泣きながら話をするまでは。
交差点は当然大渋滞
もう老若男女は関係ない
怒号やら赤ん坊の泣き声で埋まっていく
暴れだす人 泣き出す少女
祈りだした神父を追い抜いて
ただ一人目指すのは逆方向
あの丘の向こうへと
ヘッドフォンから依然声がして
「あと12分だよ」と告げる
このまま全て消え去ってしまうなら
もう術は無いだろう
ざわめき出す悲鳴合唱を
涙目になってかすめる10秒
疑いたいけど誰がどうやっても
終わらない人類賛歌
「駆け抜けろ,もう残り1分だ。」
その言葉ももう聞こえない位に
ただ目指していた丘の向こうは
すぐ目の前に
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