ヘッドフォンアクター
じん 自然の敵P
ヘッドフォンアクター
- 86
- 17
- 0
Shino🐶黒
https://nana-music.com/users/8444427
Chloe🎀翠
https://nana-music.com/users/9753084
Rutile🎨ゆき
https://nana-music.com/users/7699918
🌙.*·̩͙
🐶その日は随分と平凡で
当たり障り無い一日だった
🎀暇つぶしに聞いてたラジオから
あの話が流れ出すまでは
🌕「非常に残念なことですが、
本日地球は終わります」と
🎨どこかの国の大統領が
泣きながら話をするまでは。
🐶窓の外は大きな鳥たちが
空覆い尽くしてく渋滞中
🎀三日月を飲み込んで
どこかへと向かってる
🐶やりかけてたゲームはノーセーブ
🌕机にほぼ手つかず参考書
🎀震える身体をいなす様に
🌕すぐにヘッドフォンをした
🎨不明なアーティスト項目の
タイトル不明のナンバーが
🐶途端に耳元流れ出した
🌕「生き残りたいでしょう?」
🎨🐶蠢きだす世界会場を
🎨🎀波打つように揺れる摩天楼
🐶🎀紛れもないこの声はどう聞いても
🌕聞き飽きた自分の声だ
🌕「あの丘を越えたら20秒で
その意味を嫌でも知ることになるよ。
疑わないで、耳を澄ませたら20秒先へ」
🌙.*·̩͙
sound🎶 https://nana-music.com/sounds/059017ee
🌙.*·̩͙
「ルチル! クロエ!」
時計塔の下、シノが駆け込んできた。人目を気にするように深くフードを被っている。
「シノ! ヒースとアイドルをしているんですってね。生憎私はまだあなたたちのパフォーマンスを見れていないのだけど、きっととっても素敵だと」「そんな話をしている場合じゃない」
強く言い切られて、ルチルは黙る。
「エレベーターは動いているか」
「ううん、やっぱり何かに阻まれてる感じがする」
「やっぱりか……俺は彼処へ行く。お前らは残れ」
「駄目ですよ」
不意に閉じたエレベーターの扉に手をかけたシノをルチルは引き剥がす。クロエも強く頷いた。
三人は魔法舎での記憶がきちんと残っていた。クロエはそれを「守りたい想いの強さ」あるいは「失いたくない気持ちの強さ」だと推測する。クロエはラスティカ、ルチルはミチル、シノはヒースクリフ。それぞれの思いの強さがありのままの自分を保つ要因になっているのではないかと。
だからこそ。
「エレベーターを使えば帰れると思ったのに……」
「壊れているだけかもしれない。直せば帰れるかもしれないぞ」
「で、でも、扉が開かないんだよ……?」
外から見ればただの壁だ。
「エレベーターを構成する一部になることができたら、もしかしたら」
ルチルは中を透かすかのようにじいと扉を見つめる。
「だから、お前らは残れ。そしてミチルとラスティカを守れ」
「シノも、ヒースがいるでしょ?」
「ヒースは強い。俺の守りなんか要らない」
「ミチルだって強い子です。私も一緒に行きますよ」
「ラスティカだって強いよ……!」
「わかった」
一度作戦を立てよう。静かなシノの提案にふたりは頷いた。
コメント
まだコメントがありません