チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!
夏那(cv.綺羽)
チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!
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うるさいのが突然宙を舞い、壁まで吹き飛ばされたとわかるまでに少し時間を要した。
「……いったぁ……に、すんだよ……」
宙を舞った本人は壁に打ち付けられて悪態をついている。
この子供ような見た目の子が本当にやったのかと目を疑う光景だった。どんなヤバい奴と同じ部屋になってしまったのだと後悔していると
「……Zz」
なんとやった張本人はまだ眠っているらしい。
……危機を察知して無意識にあれをやったというのか?
頭のなかで警鐘が鳴る。
早く逃げろとうるさく言っている。しかしそうは言ってもどこへ逃げろと言うのだ。負傷者もいる。
扉も閉まったままだ。
「……おは、よう?」
しばらく考えているとそんな呑気な声がする。
まだ寝ぼけているようだ。刺激しないように声をかける。
「……おはよう。
起きたばかりのところ申し訳ありませんが、あなたは、自分のことが分かりますか?」
「……くろは、くろ。
でも……それだけ」
それしか言わないので、ここまでどうやってきたのか、どうしてここにいるのか知っているかなど問い詰めてみるがやはり何も分からないらしい。
「では僕と同じですね。
出られないようですしどうしましょうか?」
「おなかすいた」
「あ!ホントじゃーんめっちゃ腹減った〜!こまった〜!!」
警戒心の欠片もないセリフに秋羅はそれ以上返すことができなかった。
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