途中まで一緒に来ていたゆきん・よしこに背を向け関ヶ原を進む。目指すは海洋国家幻海、アヤの元。
相手のフィールドで一騎打ちをするため、指定された場所へと向かっていた。
幻海の民のアヤ。
偵察で見たその力は計り知れない。
私一人の力で戦になるのだろうか。
今でこそ歌う事で何かしらの力が働いているような気がするが、それが何なのか、見えもしなければ聞こえもしないのだ。
無意識に歯を噛み締めていたのだろう。口の中から歯軋りのようなミチミチという音がして我にかえった。
焦りは禁物だ。
余計な力が入っては絶対に勝てない。
そうだ、もふもふ……
良い働きをすれば孤月さまが耳や尻尾を触らせてくれると言っていた。
深呼吸を数回。
何度も何度も練習したんだ。
きっと大丈夫。
そう、心で唱えながら私は戦場へ足を踏み入れる。
『白夜ノ国-難不来星干し、参上しました。』
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壊れていたのは世界でしょうか
間違っていたのは世界でしょうか
あなたには朝がやってこない
だから あなたの「おはよう」はもう聞けない
時が戻れば、なんて思いながら
私はあなたをこんな檻に閉じ込めている
声が枯れるまで歌い続ければ
きっと気が付いてくれるよね
またいつか 光の降る街を
手を繋いで歩きましょう
空の青さを忘れるなんて
まったく 本当にあなたは馬鹿ね
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