【本編声劇】第2話 Part1
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【本編声劇】第2話 Part1
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シークレット☆プリキュア 第2話
「華麗に優雅に!ふたりもプリキュア☆」
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ゴシックで統一された薄暗い部屋の中に、長いブロンドの髪を二つに束ねた少女がいる。
彼女の名はヴァイオラ。サイレンティアのリーダーだ。
カウチに腰掛けて意味もなく手元の水晶玉を転がしていたヴァイオラは、何者かが扉を叩く音で顔を上げた。
「どうぞ?」
「失礼します。」
扉が開き、入ってきたのは黒髪の少女──ルシファー。
背格好はヴァイオラと似ているが、金色に輝く瞳はどこか夜行性動物のような印象を感じさせる。
ルシファーはヴァイオラに近寄り、持っていた数枚の紙を手渡した。
「こちらが、今回の資料です。」
「ありがとう。」
資料を受け取ったヴァイオラは、紙をパラパラとめくりながら
「ふうん……今は3人なのね?」
と、微笑みながら呟いた。
「そのようです」
ルシファーが言葉を返すや否や、扉が勢いよく開き、
「ヴァイオラ様っ!」
猫……のような生物が駆け込んで来た。
「あら、メープルじゃないの。」
「『あら』じゃないメル!このままだと、プリキュアは間違いなくヴァイオラ様の邪魔になってしまうメル!」
全く動じないヴァイオラに向かって、メープルが早口でまくし立てる。
すると、部屋の奥の暗闇からもう一人少女が現れた。
「大丈夫、ヴァイオラ強いから。」
「イーブル様…」
気配を感じさせない登場に戸惑いつつ、メープルはイーブルのいる方向へ顔を向ける。
「私たちの目的、忘れちゃった?この世界のどこかにあるクリスタルを見つけ出す。」
イーブルは言葉を続けながら、ヴァイオラの横へと歩み寄っていく。
「そして、5つ全てを完全に消し去る。」
と、ルシファーが続ける。
「帝国のお姫様もクリスタルを探しているみたいだけど、私たちが先に見つければいいの。そして全ては解決、それだけよ。」
なんてことない、といった顔のヴァイオラ。
「でも、そんなに上手くいくメル…?」
対してメープルは不安そうな表情。
「私が失敗したことある?」
ヴァイオラが自信満々で問いかけると、
「ある。」
「ありますね。」
イーブルとルシファーが表情ひとつ変えずに返すのだった。
「それはそうと…ねぇイーブル。」
数秒の沈黙があり、ヴァイオラが口を開く。
「次の任務、マリーに付き添ってくれる?」
「マリー……あ、マリシャスね。わかった。」
それだけ言って、イーブルは部屋は出た。
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