1人、ひとり、独り【1人声劇】
演者【ましゅ】台本【希鳳】
1人、ひとり、独り【1人声劇】
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僕は、朝が嫌いだ。
窓辺から差し込む陽光に照らされて、僕はまた1人、寂しさに胸を焦がす。
きっと、僕など必要ないと。
きっと、誰も気にしやしないと。
布団に潜りただ惰眠を謳歌し。
ただ、時間だけを浪費する。
僕は、朝が嫌いだ。
人々が行き交う交差点に、波のように押し寄せる人、ひと、ヒト。
楽しそうな人、悲しそうな人、怒った人。
感情の波の中をかき分けながら、自分の孤独を呪う。
愛されたいと願っても、きっと僕は愛せない。
愛が欲しいと嘆いても、きっと僕は与えられない。
人知れず漏らした嗚咽(おえつ)に、耳を傾ける者はいない。
僕は、朝が大嫌いだ。
そしてまた、日は沈み。
月の光に照らされた世界でまた一人。
孤独と寂しさに身を屈(かが)め、もう朝など来なければいいと。
そう願いながらまた、惰眠を謳歌し嘆くのだ。
僕は、独りだ。
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