心に穴が空いた【DTM伴奏】
ヨルシカ n-buna
心に穴が空いた【DTM伴奏】
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スマホを見ても、テレビを見ても、
ただ生きてたって、悲しいニュースばっかりだ。
気付けば、朝ごはんのときにテレビをつけなくなった。殺人事件のニュースを見ながら食べたご飯の味が、固まった血みたいに喉の奥にへばりついたから。スマホも、通知が来たとき以外はあまり開かないようにしている。
忘却の魔法のありがたみは、痛いほどに理解した。
だって気付けば思ってしまう。
忘れたい。こんな悲惨なニュースは。
忘れたい。人の冷たい言葉を。
忘れたい。うまく変われない自分を。
それでも、忘れたくないものがある。
大切な仲間のことも、大好きな姉のことも、多くの友人たちのことも。どれだけ悲しくても、醜くても、きみを形作るものから目をそらしたくない。
見ていたいんだ、ちゃんと。
見ることで私は、これから変わっていくだろう。
海凪紫苑から分離したなにかに、形を変えて、そのくせその名前を名乗り続ける。選んだのは、海凪紫苑本人だ。
ならばこの道こそが、正しく彼女なのだ。
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