秘密結社 路地裏珈琲
2021 バレンタイン 運命の王子様へ
それは飛行船から街に構えた店舗へ行く途中の事。
何もないところでつまずくなんてうっかりしていた。
おかげでバレンタイン用に準備していたお菓子の一部がカゴの外へ飛び出してしまった。
慌てて確認すれば一つだけ誰にあげるわけでもなく作った、かわいいデコレーションも包装もされていなかったお菓子がどこにも無い。
「うーん…まあ、いっか。
どうせ自分で食べるだけだったし…」
不運な事に近くには森へと続く川、背の高い草木があり奥を探すのはなかなか大変そうだった。
よっこいしょ!と大袈裟に言いながら立ち上がり、気を取り直して目的地へと星干しは駆けて行った。
お菓子の行方は……??
………………………………………………………………………………………
貴方の言葉が 貴方の記憶が
わずかな世界を満たして
映画の終わりに数分あるような
心地よい今日だ
手に取る運命は 手放す運命が
増えていくだけ
そんな小さな綻びに 気づいていたのに
心が身体を見落とすまで
明日のない世界へ行くまで
失うひとつを数えること
それを愛と呼ぶだけ
愛と呼ぶだけ
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