仲良し三兄弟【オリジナル単発作品】
なりぃ
仲良し三兄弟【オリジナル単発作品】
- 43
- 9
- 2
オリジナル小説「仲良し三兄弟」です。
今回は次男🟨verです。
---------------------------------------------------
俺は三兄弟のうちの次男で、中学三年生。
とにかく周りを笑わせることが大好きだった。
皆が笑ってくれるだけで、俺はすごく嬉しかったんだ。
俺には兄弟がいる。
姉と弟。二人だけだ。
俺が考えた一発ギャグをすると、
二人はいつも笑ってくれた。とても幸せだった。
それから俺は、学校でも軽いギャグや
ボケをするようになった。当然、皆は笑ってくれた。
それが唯一の快感となってしまったようで、
何人かの友人と話をしている間でも、割り込むように
ボケを繰り出したり…そんなことが癖になっていた。
…だけど最近俺は、ある違和感を感じるようになった。
それは…友人たちが、俺を無視をするようになった…
ということだ。
皆の近くにいるのに…蚊帳の外にいるような…
見えない壁で遮られているような…
これが「疎外」というものか…?
そう思った俺の心の中には、モヤモヤとした
濃い灰色の霧が…長い時間ずっと渦巻いていた。
理由はもしかして…俺のせい…?
俺がいつもヘラヘラ笑って、
皆の空気を壊しているとか…?
話すことが苦手だから…?
……あぁ………そうだ…絶対にそうだ…
俺は「他人と話すこと」が得意じゃない…
俺はとにかく沈黙が嫌いだ。
だから自分で話をしようとしても、なかなかまともな
話題がない…
喉に蓋がついているようで話したくても話せずにいた…
たとえ話せたとしても、相手は顔を向けて
話を聞こうとする態度がまるでなかった…
それに、いつも俺は「話し手」ではなく「聞き手」。
友人たちが何を話しているのかもさっぱり…
アプリ内のある動画についての話…
友人の知り合いについての話…
…俺だけが知らない会話ばかりしやがって…
反応に困るんだよ…
しかも…話すスピードが速い…ちゃんも聞いていたと
しても理解ができず、曖昧な返事をして流してしまう…
……あぁそういえば…「質問」も苦手だったっけ…
質問をすることも…それに答えることも…
自分が何言ってんのか混乱しちゃって…
自分にも相手にも嫌な思いをさせちまう…
質問を最後まで聞いて、それに答えようとした時、
普通の人はすぐに答えられるとは思うが、
俺はそれだけでも精一杯なんだよ…!
言葉を上手く並べられないから、何とか整理しなきゃ
いけない…その時の沈黙がもう地獄ったら
ありゃしねぇ!慌てて整理しようとしても、
あれ…俺さっきなんて質問をされた…?って
忘れちまう…!
そこだけの記憶がパッとなくなっちまった感じ…?
これまでを振り返ってみて思い出したんだが、
俺は笑ってはいけない場面でも、
笑ってしまうことがある。
お葬式とかでも、なぜか笑っちまって…
お母さんに怒られたこともあったっけ…
別に面白いことも何も起きていないのにな…
笑ってはいけないことは、勿論わかってる。
でもな…なんでだろうな…
笑いが制御できないというか…
やめろと我慢しても、笑うのが止まらねぇんだ…
ここで一度兄弟に、ずっと抱えていた悩みを
打ち明けることにした。
なんて言われるか怖くて仕方がなかったんだけれど、
相談しないよりはマシ……だと思ったんだけどな…
姉からは「大袈裟だよ」、
末っ子からは「気にしすぎじゃない?」と一言だけ。
でも俺にとってその言葉は…酷く突き刺さった…
それは物理的な痛みではなかった…
…あぁ…もういいや…どうせここでバーっと言ったって
誰にもわかってくれねぇんだろ……?
わかってるよ…全部…俺のせいなんだ…
そう思えば、笑うことも馬鹿馬鹿しくなってきたわ…
いつだって俺は笑っていた…笑顔でいた…
でもそれは本当の「笑顔」なのか…?
そうだ…俺は周りに合わせて笑っていた…
他人の話を理解できなくても、沈黙が怖くても、
俺は笑っていた…
俺は自分に対する恐怖を感じた。
いつからこんなことになったんだろ…
そしてその恐怖は、だんだん自分の身体を
支配しているように感じた。
俺は周りと違って、とにかく話すことが苦手だ。
俺はいつの間にか…本当の笑顔が何なのか
わからなくなっていた。
俺は作り笑いをする自分が嫌いだ。
笑顔でいる自分も嫌いだ。皆嫌いだ。
気づけば俺は……瞳が「黄」に染まっていた。
そして俺は……一歩歩いて立ち止まり、ふと見上げた。
……今日も笑って過ごそう…
白黒の縞模様の上で。
---------------------------------------------------
ごめんな。
※この小説の一部はノンフィクションと
なっております。
#仲良し三兄弟
#なりぃ #狐 #オリジナル小説 #オリジナル #小説
#オリジナル小説作ってみた #フォロー返します #コメント返します #拍手返します #nanastory #nana民と繋がりたい
コメント
2件
- なりぃ皆さんは「橙色」か「黄色」、どちらが好きですか? 私は琥珀色が好きです。
- なりぃ読みにくドミニクッ(ハ?)