白百合
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白百合
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普段と変わらず華々は片割れと音を奏で仲睦まじく日々を過ごしていくーーーそんな日々が続くはずだった。
ーーー白百合に別離-おわかれ-の宣告が来たみたい。
別離を避けるには永久-とこしえ-の眠りにつくのみ。
薔薇の花園内にいるココと鞠依はお互いに眉を顰め白百合を想い涙した。
「白百合はどちらを選ぶのかしら…」
「白百合には白百合の考えがあるのだわ…」
空は生憎の雨模様
淡々と降り注ぐ雨音に薔薇達は不安がつのるばかりであった。
「……凪咲…レイはね…レイは…」
「うん…私も貴女と同じ考えよ。」
凪咲はしなだれかかり涙するレイを支え2人の行く末を強い意志で決めた。
「別離-おわかれ-ではなく永久-とこしえ-の眠りにつくことに決めた。」
「……レイも…同じ…」
考えが同じ事に安堵するレイ。
白百合の2人は薔薇の2人に会う事なく白百合の花園内にある宮へと向かい、眠りにつくため棺へ横になる。
向かい合う2人には何も恐れる事はなく繋ぎあった両の手は力強くしっかりと握りしめあっていた。
--白百合の眠りを告げるかのように花園に鐘の音が響く。
まるで眠りにつく2人を祝福しているかのようだった。
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