【声劇台本】雨が降ったら
お名前をどうぞ(台本:けい)
【声劇台本】雨が降ったら
- 453
- 15
- 5
一人称・語尾など変更して頂いても大丈夫です。
【台本】
爽やかな青を飲み込んで、重く暗い鉛色が広がる。
空気の匂いが微かに変わった。
冷たい風が二人の間を吹き抜ける。
気まずくて、お互い顔を見られなかった。
何か言いたげな君を視界の隅に留めながら、私は空を見上げていた。
傘を忘れて良かった、なんて思ったりして。
君が続ける言葉はどうせ決まってる。
さっきの話はなかったように、わざとらしく言うのだろう。
降らないうちに帰りなよ、って。
分かってる。
そんなに急かさないでよ。
ただ、もう少しだけ。
雨が降るまで、少しだけ。
乾いたアスファルトに溢れるほど染み込んで、それが大きな水溜りになって、足元に跳ね返るほどの雨が降ったらさ。
大丈夫、きっと降るから。
頬を伝う滴も、喉から漏れる嗚咽も、全部全部ごまかしてくれる雨が降るから。
雨が降ったら私は帰るよ。
だからまだ、あと少し、隣に居てもいいかな。
#声劇 #朗読 #台詞 #台本 #ひとり声劇 #一人声劇用台本 #コラボ用 #コラボ歓迎 #朗読台本 #声劇台本 #切ない #悲しい #雨 #シリアス
コメント
5件
- まめきち(仮)お借りしました。
- はりま れんお借りしました!!」
- きゃなり台本 お借りしました
- 逢 夢 .読ませていただきました
- 爻読ませて頂きました。ありがとうございました。