【声劇台本】第二話:忠義の犬助【桃太郎異聞】
台本:ばね ◆: ◇:
【声劇台本】第二話:忠義の犬助【桃太郎異聞】
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柴村にて、鬼に襲われる人を助けた桃太郎。
しかし、鬼に逆らってしまったことでさらに恐ろしい罰を受けるのではないかと恐れ慄いた村人は
礼もそこそこに家へと引っ込んでしまった。
抵抗する意思を失った人々は、なにもここが初めてではない。
仕方のないことと割り切って歩をすすめる桃太郎に、声をかけた若者がいた。
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◆桃太郎
◇犬助(けんすけ)
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◇僭越ながら、桃太郎殿とお見受けしますが。
◆あぁ、確かに某(それがし)は桃太郎。
悪鬼大王を倒すべく旅をしている。
貴殿は?
◇拙者は、この村出身の武士、名を柴田犬助(しばたけんすけ)と申します。
故郷が鬼の支配に苦しんでいると聞き戻って参ったのですが…自分一人ではどうにもできず…。
◆鬼の力は強大で、その数は尽きることを知らない。
恥じることはないさ。
◇しかし、桃太郎殿はお一人で鬼退治の旅をされていらっしゃる。
◆誰かが立ち上がらなければ、この圧政の世は終わらない。
そしてそれは、誰であっても良いはずだ。
◇たったそれだけなのですか。
◆鬼の蛮行も、それに泣く民の涙も、これ以上は見るに耐えぬ。
それだけのこと。
◇…確かに、拙者の剣の腕は、弱き民を守るために磨いてきたもの。
今ここで振るわずして、何が武士か……桃太郎殿!
◆?
◇貴殿の鬼退治に、拙者もお供させていただけないだろうか!
自分一人ではと諦めていたが、先ほど見た貴殿の強さ
そして志の高さがあれば、あるいは悪鬼大王すら本当に打ち倒せるやも知れぬ。
◆…ふむ。私も、腕の立つ仲間がいれば心強いと思っていたところだ。
共に行こうではないか!
◇応!
◆そうと決まれば腹ごしらえだ。これを食うと良い。
◇これは?
◆きびだんごさ。力が出るぞ。
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