オリジナル
ナナシ
オリジナル
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アスファルトに照る 熱にキュッと顔をしかめた
路傍にそっと揺蕩う 紫陽花に心を透過して
放課後は二人で 幼気な夕に身を寄せた
拙い日々が僕には 空いた泡の夢のように
喉に刺さった言葉が
音を紡がずに
梔子の花が咲いた
朔日の帷にそっと 手を重ねていた
誘蛾灯の夜になく 橙に魅入られた僕は羽虫だ
君さえいればなんて 嘘つきの言葉と同じなんだ
花が咲いた夏の亡霊に 欺瞞を歌っても意味はない
夏草に這う憂いを 横目に色褪せてく情景を
僕はただ 無力なまま独り 見てるだけ
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