【声劇台本】この手は星に届かない

わたし( ) ・先生( ) 演奏/彗

彗さんの演奏する 水彩銀河のクロニクル / Piano ver. をお借りしました。 曲のタイトルとイメージから星のお話になりました。 －－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－ 科学が魔法に近づいたって この手は星に、届かない わたし:星なんか見てて楽しいの？ 先生:楽しいよ。 　　だから見てるんじゃないか。 わたし:こんな暗いとこにばっかいるから 　　　目が悪くなったんじゃない？ 先生:歳を取ると視力は落ちるものだよ。 　　その分見えてくるものもあるけどね。 　　わかる？ わたし:わかんない。 先生:その内見えるようになるよ。 　　歳を取ればね。 わたし:その言い方嫌い。 　　　線を引かれたみたいで。 先生:いいじゃないか線。 　　星と星を線で結んで星座が見えてくるんだ。 わたし:こいぬ・おおいぬ・オリオン 　　　なんて言われても全然そんな形に見えないよね。 　　　こいぬ座なんて線一本引いただけだよ？ 先生:プロキオンだね。 　　最も明るい一等星じゃないか。 　　僕は好きだよ。 　　こいぬ座も冬の大三角も。 わたし:ねえ、先生。 先生:うん？ わたし:私のこと見えてる？ 先生:見えてるよ。 　　どうして？ わたし:別に。 　　　お年を召して見えなくなったんじゃないかと 　　　思いまして。 先生:僕は星が好きだよ。 　　でも触れたいとは思わない。 わたし:そう。 　　　先生、ロケットっていくらするの？ 先生:ロケット？ わたし:うん。ロケット。 　　　意地でも星に触れてやろうと思って。