【声劇】選択【台本】
いずみん
【声劇】選択【台本】
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次第に彼にとってこの世界は、敵か敵でないか、それだけになっていった。
ひとかけらの間違いも、民衆は彼に許しはしない。
人と人ならざる物、どちらにも心を砕き、傷つき摩耗(まもう)していく彼の優しさを、それは弱さだと誰もが言った。
「勇者たる者、常に完璧であれ」。
次第に彼は、ぼんやりすることが増えていった。
ある時、「少し休もう。他にも戦えるやつがいるから」と肩を叩くと、人形のような表情でぽつりと彼は言った。
「ダメだよ。だって怒られてしまうもの」。
自分の言葉に驚き、恥じ入り、悲鳴をあげると、彼は意識を失いそして──「彼」が目覚めた。
そうだ…俺もだ…俺も言わなかった。
もう戦わなくていいと言わなかった…。
だから──
「王よ、魔王を討てというご命令、お受け(致しますor致しかねます、お好きな方をお選びください)」
お受け致しますを選びました
理由については各々受け止め方があると存じますが
私は「彼」が魔王に堕ちてしまったと想像して
「彼」に対する罪悪感そして終わらせるのは私であるという決意を込めお受け致しますを選びました
#声劇 #ファンタジー #勇者 #悲しい #回想 #独白
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