3.人魚姫とフィアンセ
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3.人魚姫とフィアンセ
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#劇団インディーズ #劇団インディーズ_配信 #劇団インディーズ_泡沫の涙
岩陰で歌うアメリア。傍らにはフォークや綺麗にカットされた宝石、手鏡など、陸の世界のものが宝箱に詰められている。
アメリアの元へ、ディランが現れる。
ディラン:やぁ、また歌っていたのかい?
アメリア:ディラン…、
ディラン:君の歌声はとても素敵だね、また僕のために歌ってくれないかい?
アメリア:ええ、それは勿論。
ディラン:…ここは色んなものがあるね。全部陸のものかい?…これは何だろう。
ディラン、フォークを手に取って眺める。
アメリア:そう!それはきっと櫛なのよ!人間たちはこうやって髪を梳かすんだわ!それとこっちは…、…あぁ、ごめんなさい。
ディラン:いいや。君は本当に、陸の世界に憧れているんだね。
アメリア:ええ。お父様に何度叱られても、私は諦められない。1度でいいの、海の外へ出て、「足」を使って、「道」を歩いてみたいの。
ディラン:僕のお姫様は、まるで海の外に恋しているみたいだね。
アメリア:…ごめんなさいディラン、あなたの事は大好きよ。でも…
ディラン:謝らないでくれ。君を振り向かせるのが僕の役目だ。また来るよ。
アメリアの手を取ってキスをし、ディランは離れていく。
アメリア:ディラン…、海の世界に不満がある訳じゃない、ディランも、お父様やお姉様達も、大好きだわ。でもね、この憧れだけは消せないの。こんな素敵なものを作る陸の世界って、どんな所なんでしょう…。
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