【1人声劇】被告人魚質問
被告人魚()/台本・編集(くろつばめ)
【1人声劇】被告人魚質問
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ー被告は、前へ。
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好きだったんです。ずっと昔から。
ううん、好きだなんて言葉じゃ足りない、愛してました。
心から愛していました。
日が暮れると、西の海岸にいらっしゃるんです。
遠くを眺めて物思いにふける姿を、ずっと見つめていました。
声をかけたかった、でもできなかった。
あの子みたいにだれもが振り替えるような声じゃないんですもの。
こんな汚い声じゃ見向きもされない、えぇわかってるわ。
だからこの想いは誰にも告げなかった。ただ胸の内に抱えていたの。
それでもいいと思っていたわ。
所詮(ショセン)生きる世界が違う人。
あちらの世界であの人が幸せになる日がくるのなら、
心から祝福してさしあげようって思っていたわ。
えぇ、本当よ。
それなのに、あの子があの人に恋をしたなんて言うから。
王家の娘で、誰からも愛されて、
・・・すべてを虜にしてしまうような、甘く弾んだあの声で。
あの人にいとも簡単に近づいたんです。・・・許せなかった。
わたしのほうがずっとずっと彼を愛していたのに。
だから、あの子の声をいただいたんです。
地位も名誉も愛情も、彼女を取り巻くものは数えきれないほどあった、
だからその声くらい、わたしが貰ったってバチは当たらないでしょう?
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人魚姫に登場する、とある人魚の存在から妄想しました。
【自分にないものを持っている人】が、【自分が憧れてる人に軽々と近づいていく姿】って、なぜか心に棘刺さりませんか。
なんであの人が、って嫉妬でぐちゃぐちゃになったり、とか。
でもそういうときって、自分が一歩踏み出してないだけだったりするんですよね。
それなのに一歩踏み出せた相手に恨みをぶつけたくなったり。
そんな人魚のお話です。
《お借りしたもの》
「喪失」春秋冬様
DOVAーSYNDROMEより
コメント
8件
- himiお借りしましたっ! ずっとずっと読みたかったの!!
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました
- 小梅@りっくん遅れましたがお借りしました。素敵な台本ありがとうございました。
- ぶみおおかりしました!
- ツバキお借りします! 素敵なお話ありがとうございます…!
- 帰朝 繹お借りします。
- 吟台本読ませていただきました…!
- よるお借りしました(^^)♡