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    マリン
    「永遠なんか、要らない」 ______________ サク … 刹那の少女。 シノ … 永遠の人。(性別不問) ______________ シノ「春起きて、夏遊び、秋に憂(うれ)いて 冬眠る」 サク「朝芽生え、昼に咲いて、夜に散る。」 (1:17~) シノ「暖かい目をした人だと思った。」 サク「……あなたは、死なないの?」 シノ「死ねないよ。永遠だから。君は死んじゃうの?」 サク「そうだよ。毎日生まれ変わってる。」 シノ「ふーん。可哀想」 (0:56~) シノ「生きるのが普通だと思ってた」 サク「終わることが普通だと思ってた」 シノ「でも、違った。」 シノ「命は、そんなに簡単じゃなかった」(同時に) サク「運命は、私以外に優しいの」(同時に) シノ「だから、傷付けた――」 (0:40~) サク「私ももっと生きたいって思えてたら。言えてたら。シノみたいな永遠に、なれたのかもしれないのにね」(泣き笑い) (0:28~) シノ「生まれた事は間違いじゃない!だから、さよならはまだ……!」 サク「生まれと枯れ果てを繰り返す、刹那の人々。 私達の最期の日は花に例えてこう呼ばれる。 〝手折られの夜〟と」(たおられのよる) (0:11~) シノ「ねえ、サク。<私.僕.俺>さ」 サク「――うん」 シノ「当たり前の永遠より、この一瞬が。すごく愛おしい」 ___おはなし_____________ 四季を延々と生き続ける、永遠の人々・シノ。 一瞬の生を繰り返し生きる、刹那の人々・サク。 < 命 >に対する価値観が生まれ持って違う二人が、ある日偶然出会った。すれ違いを繰り返しながら、お互いを理解していくも幸せは長くは続かない。 刹那の人々は生まれ落ちてから365回目の夜を迎えると、目覚めることはなくなってしまうのだ。 サクの手折られの夜は、もう目前に迫っていた。 ____________________ 二人で迎える手折られの夜は、別れと言うには穏やかで。 星空を眺めながら、二人は手を繋いで夜に眠った。 朝を迎えたシノの隣には誰もおらず、握り締めた手には「一枚の花弁」が残っていた。 * * *