殉死【声劇台本】
読み手:○○ 台本:結愛
殉死【声劇台本】
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以下、台本
「仕方ないよ」
誰かがそう言った。
彼は職務を全うし、殉死したのだと。
だけど、彼はそれで本望なのだろうか。
本当は死にたくなかったのではないか。
本当はもっと生きたかったのではないか。
死人にくちなし。とはよく言ったものだ。
誰にも彼の本音など聞けるはずがない。
目の前に建てられた墓に、一人一人が花を手向けていく。
この中で彼の死を、本当に悲しんでいる者は何人いるのだろうか。
名誉ある死とは一体何なのだろうか。
遺された者の苦しみや絶望は、きっと想像を超えるものだろう。
胸が張り裂けそうになるくらいの哀しみが、襲いかかるのだろう。
そんな事は当事者の人達にしか解らない。
さて、この話を聴いている君は何を思うのかい?
そんなの、当たり前、と鼻で笑うのだろうか。
それとも、何を知ったように、と怒る(いかる)のだろうか。
まあ、どちらにせよ、死人は喋れないのだ。
そう、二度と声を聞くことも温もりを感じる事も出来ないのだから。
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人の死とは時に強く、時に脆い。
死んでしまったら呆気ないものかもしれない。
だが、それはあくまで見知らぬ他人の話。
痛みを味わいながら死んで逝くのか、安らかに眠るように逝くのか。
それは誰にも分からない事だ。
ただ、一つ言えるのは、会える一時一時を大事にするという事。人はいつ会えなくなるのか分からないからね。
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コメント
6件
- 結愛
- 吟台本読ませていただきました。
- 結愛
- 水猫。お借りしました。
- 結愛
- 咲音すいお借りしましたー!!