台本『doctor』
朗読:朔 台本:こだぬき BGM:そうすけ様
台本『doctor』
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視界の隅って言っちゃった
まあいいや
かつてその島には若い医師がいた。
彼の技術はあまりに最先端で、故に、同じ島民からある種の不信感を抱かれ、皆からヤブ医者と呼ばれた。
それでも医師は、流行病(はやりやまい)に絶望した島民のいのちを救おうと手を尽くした。
彼は認められたかった訳ではない 彼はただ、出来ることがしたかった。
たとえその手袋がどれほど赤くなろうとも。
しかし、やがてその時がきた。
ひょんな事から持病の悪化で動けなくなった。
流行病の治療にばかり専念していたので自身のことなど疎(おろそ)かにしてしまっていた。
彼は、窓からふわりと音もなく入ってきた一枚の羽を見て言う。
『あの鳥のように空を舞い、この島の人々へ治療薬を届けられたら·····』
医師はこと切れる直前に、視界の端に蒼(あお)色のなにかを見た気がした。
·····恐らく、それからだろう。
かつて医師と共に居た その蒼い鳥の羽ばたきを見た者は、不思議と病が治癒(ちゆ)したという。
いまも島民は、その鳥のことを敬意を評してこう呼ぶ。
ドクター、と。
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コメント
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- 朔-saku-
- こだぬき 🐈⬛(リボルバー)優しい声でコラボ有難うございます…! 宜しければまたのコラボも、楽しみにお待ちしております*