愛惜ヒエラルキ
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愛惜ヒエラルキ
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#エスタシオン事務所
「たった独り、ステージという名の祭壇の上で賛美歌を歌う。その苦痛が、誰に理解るのか。」
■師走 道生:桜華
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──師走道生はアイドルだった。たった一人、アイドルとして君臨し続けている。アイドルを体現したような男だった。
世間は、マスコミは、ファンは、世界は。それを、彼だと言った。「師走道生はアイドルそのものだ」。彼はその声に答えようと必死になった。様々な努力をし、ことごとく自分を追い詰めた。自分を捨て、「アイドル:師走道生」として頂点に経ち続けた。その姿を、人々は孤高だと言った。たった一人のトップアイドルだと。
その言葉が、人間としての師走道生を追い詰めているとは知らずに。
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