D68 膝丸
紫苑本丸
D68 膝丸
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#紫苑本丸
夕食を食べて、今は各々が好きなように過ごしている。
今の主は確実に…でも少しずつ変わってきている。
「兄者…。」
俺のしていることは、主にとっていいことになっているだろうか。
兄者は今…何をしているだろうか。
新しい本丸で…楽しくやっているだろうか。
「膝丸。」
「主…どうだ、…楽しくやっているか?」
「前よりは。」
「いいことだ。」
「膝丸、……あの人はどうして私を助けてくれるんだろうね。」
"あの人"…きっと、イツキのことだろう。
俺も、ずっと気になっていた。
何故主のことを気にするのかと…、主ぐらいの歳の審神者はそう多くもないがいる。
「さぁな…、もしかしたら自分の娘と重なったのかもしれないな。」
あの人には主とは少し歳の上の娘がいる。
どこか…重なったのかもしれない。
「最初は…何もかも信じられなかった。…見ず知らずの私を助けようだなんてどうかしてると。」
「…。」
「でも、…あの人が私に言ってくれた言葉があったんだけど。」
「悲しみは続かない。」
…これはイツキの、…どこかの本丸の審神者の好きな言葉らしい。
「生き返るのも悪くないかなって思えた。」
…そう簡単に死なせてたまるか。
どんな思いで…主を助けたか、守って来たか。
主の気持ちは俺にはわからないけれど、俺にも責任があると思っているから。
「私にも…何かできることはあるかな?」
「…そうだな、御守りでも作ってみたらどうだ?」
「御守り…?」
「あぁ…俺たちの命を守ってくれるんだ。」
「分かった…、そのうち…必ず作るよ。」
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