「飛空挺の秘密、解錠3」
秘密結社 路地裏珈琲
「飛空挺の秘密、解錠3」
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日記の筆が進まない。書くことが多過ぎるのだ。
出発してどれくらい経ったろう、ようやく2つ目の国を出発するところだっていうのに、小説に書き起こすなら3〜4本書き上げられそうな規模の騒動に遭遇している。つい先日まで紛争地帯のような場所で、自分も命がけの大救出作戦を敢行していたのかと思うと、窓から見える空の青さが尊く感じた。
何か音楽でも聴こうと、筋肉痛でのたのたおぼつかない足取りの元に、共有スペースのCD置き場を目指す。アップテンポで、明るくて、やれやれだぜって感じのヤツ、ひと昔前に流行ったあれは一体なんという歌だったろう。
そっと鼻歌で口ずさんで、備え付けの棚を探って居たら、不意に指先が何かバネの良く効いた、スイッチ様のでっぱりに触れ、押し込んでしまった。
「......あ」
まさに、噂に聞いていた、あれだ。歯車の動く音に伴って、何処かで何かが降りてくる。階下からマスター達の歓声が聞こえてきて、それが図書館の出来事だとようやく知った頃には、早速大慌てで呼びに駆けてくる仲間の声。
「ママレードにシュガーソング、ピーナツあんどビターステップ」
ご機嫌に一節歌い上げ、星干しが梯子を滑るように降りて行った。
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“古代書庫”が解禁されました。今では絶版になった、大変貴重な書物や図鑑がぎっしり収納された、降下式のからくり本棚です。
今後のストーリーに反映されます。
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