【予告風声劇】雪月蛍花

◇蛍： ◆雪神：

傍にいることは叶わないから 代わりに、貴方の幸福を願いました ────────── 春と秋のおはなしはこちらから。 花神様と蛍 ( 真中 夜 様 ) ▹▸ https://nana-music.com/sounds/055f5a9a 月神様と蛍 ( 藤咲 六花 様 ) ▹▸ https://nana-music.com/sounds/055f5a82 ────────── ◆ 雪月花にはひとり足りぬ (雫の音) ◇ 「雪月蛍花(せつげつけいか)」 (音入り) ◆ 「花神に月神。人に情を持つなど愚かなことを」 ◇ 冬の神様は夏がお嫌いらしい ◆ 「妾に近付くでないぞ、ケイ」 ◇ 凍(い)てつくように冷たい言葉と明らかな拒絶 ◆ 「人も神も現世(うつしよ)も、好きではない」 ◇ それなのに、此方(こちら)を見る瞳はいつも何処か哀しげだった ◇ 「何故、ケイなのですか」 ◆ 「急になんじゃ」 ◇ 「雪神様だけが、そうお呼びになるから」 ◆ 「……、」 (ノイズ)(少し早口で) ◇ 昔、冬を慕った夏がいたという (音入り)(被せ合いながら) ◆ 「よく笑う、明るい子じゃった」 ◇ 『雪神さまっ！雪神さま！』 ◆ 「なぜか妾に懐きおって」 ◇ 『ケイと呼んでくださいっ、』 ◆ 「しかし冬と夏は相容れぬもの」 ◇ 『たくさんのほたるのうちのひとりは寂しいです』 ◆ 「共におればおるほど、彼奴(あやつ)は弱っていく』 ◇ 『……ケイは、不幸じゃないですよ、？』 ◆ 「その夏は、酷く短命であった」 (時計の音) ◇ だから雪神様は、 (鈴) ◇ 「……、やさしいお方だ、」 (音入り) ◆ 春と秋に愛されたあの子は、やはり幸せだったのであろう。永く生きて、旅立ちおった (鳥が羽ばたく音) ◇ そして季節は巡る ◇ 「はじめまして、夏の御子(みこ)です。蛍とお呼びください」 ◆ いつかのように、この子は妾を求めてくれるじゃろうか ◆ 「……いいや、妾ではお主を幸せにできまいな」 ────────── ◇ 蛍 夏の御子、唯一の人間。雪神からは、「ケイ」と呼ばれている。『』の子も蛍であったが、別人物。 ◆ 雪神 冬を司る神様。夏が嫌いなのか、蛍を避けている。 ※ こちら男女どちらで演じて頂いても大丈夫なのですが、もし雪神様を男性で演じられる場合は「妾」を「我」や「儂」に変えて頂いたほうが良いかもしれません。 [お借りした音源] フリーBGM DOVA-SYNDROME様より 「雪月花」「神隠しの真相」 その他SEを 効果音ラボ様より On-Jin〜音人〜様より ────────── 嗚呼、どうしようもなく愚かでやさしいひとよ これは、春が追い求め、秋を慕い、冬に愛されなかったある夏のおはなし。 ひととは弱く儚いもの。悠久の時を刻む神と共に生きることは決して出来ない。すこしでも永く笑っていてほしいという願いはあまりに勝手なのでしょう。それでも雪神はずっと、己が愛して死なせた夏に縛られています。 優しくも不器用な方でしたから。蛍を幸せにする方法を、雪神様はこれしか思いつかなかったのです。 こんばんは、とわです。 今回のおはなしは、藤咲 六花様・真中 夜様との合同企画です。私は冬の神様とのおはなしを担当させていただきました。三つの物語はすべて繋がっているので楽しんでいただけたら、とってもうれしいです……！彼等に息を吹き込んでくださる方を心よりお待ちしております。 最後に、六花ちゃん、夜ちゃん。和風ファンタジーを一緒に書きたいという我儘を叶えてくれて、ありがとう。とってもたのしかったです……！ ※ 追記(4/15) ノイズの前の台詞を変更致しました。 #二人声劇 #予告風声劇台本 #2人声劇 #声劇台本 #声劇 #台本 #掛け合い #とわの絵本