【関係者以外閲覧禁止】Længselの光
Hans Christian Andersen
【関係者以外閲覧禁止】Længselの光
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黒い森には近付くな……
森に住む魔物に喰われるぞ……
これはまだ精霊の存在が認められた時代—————
世界は『Lys』と『Mørke』の2つに分けられていた
の恩恵を受けた『Lys』
の加護を受けた『Mørke』
共存していた過去を忘れ、互いに啀み合っていた
2つを分けるのは境界の黒い森
そこには居場所無き精霊が沢山いた
本来精霊もどちらかに分けられていた
然し、彼等はどちらの世界にも属す事が可能で
どちらの世界にも属す事が出来ない
もまた、居場所無き精霊の1人だった
精霊の中でも黄金の光を放ち、
美しい容姿を持っていた
唯一、零から壱を創造出来る力を持っていた
精霊達の中において彼は特別な存在だった
故に彼には心許せる存在がいなかった
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有る日、『Mørke』は『Lys』を攻撃した
世界を一つに統治する為だった
『Lys』の反撃で戦線は後退し、
軈て黒い森での戦争が始まった
そこに住まう精霊も虐殺された
どちらにも属せる彼等は、
そういった点で2つの世界から恐れられていた
同類が死んでいくのを横目に
は蹲り息を殺して震えていた
特別な存在だったは、
2つの世界の1部の知識層から認知されていた
は泣きたくなった
其の涙はとうの昔に枯れ果てていた
そんな彼の前に其の者は現れた
鮮血に染る金の髪を持った其れは精霊等ではなかった
は恐怖で気を失った
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目を覚ましたは小さな小屋にいた
そこには金の髪の其れがいた
隣には銀の髪を持った別の何かがいた
其れらは微笑み、に話し掛けた
金の髪を持つは『Lys』の女、
銀の髪を持つは『Mørke』の男だった
俗に言う恋仲にあった彼等は
まさに在るべき世界の象徴だった
は最初は戸惑いはしたが、
いつの間にかそれを受け入れ、
彼等を応援した
は彼等に贈り物をした
彼自身の金の光を集めて作った小さな指輪は
未来ある彼等を祝福した
は幸せだった
初めて心を許せた存在に出会えたからだ
世界の理を無視し、その状況に甘んじた
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幸せとは直ぐに終焉を迎えるもので、
とは殺された
どちらの世界によるのかは分からない
の目に映ったのは焼け落ちる小屋
激化する戦火は彼等を逃がさなかった
は現実を受け入れられなかった
しかしいくら面影を探せど
彼等が死んだ事実を突きつけられるだけだった
は憤り、その心は彼の姿を変えた
眩く輝く金の光は鈍色になり、
美しかった其の姿は醜悪な物へと変わった
彼を特別な精霊と言う者はもう居なかった
世界は彼を魔物と呼んだ
は其の力を持って森を閉じた
世界の干渉から守るために、死んだ彼等を弔う様に。
世界が争いを止めたとしても、
憎悪の焔は止められない
其れは忌避される者、畏怖する者の伝承として
今も尚語り継がれているんだとか
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