この国の王だったお父様とお母様の間には、残念なことに男の子が生まれることはなかった。
生まれた子供は私一人だけ。
小さい頃は王様であるお父様は誇らしかったし、そのお父様を支えているお母様は敬愛する存在だった。
だから必死で勉強した。
お父様とお母様に近づくために。
でも、ある時ふと思った。
お父様とお母様は私の事をどう思っているのだろうか。
遊んでもらったことなんて1度もない。
名前すら呼んでもらったことはない。
いや、あるのかもしれないが記憶には残っていない。
親しい者も作る暇もなく、忙しい日々を送り、2人が用意したレールの上をただひたすら歩いていくだけ。
まるで人形のようだ。
『王族は傲慢であれ』
『疑わしきは罰せよ』
それが両親からの教えだった。
王になれば、私のことを見てくれるだろうか。
王になれば、愛してくれるだろうか。
愛を得るためにがむしゃらに生きてきた。
そうして、王になった今。
手元に残ったものは……何も無かった。
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まだこの世界は 僕を飼いならしてたいみたいだ
望み通りいいだろう 美しくもがくよ
互いの砂時計 眺めながらキスをしようよ
「さよなら」から一番 遠い 場所で待ち合わせよう
運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を
伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする
時計の針も二人を 横目に見ながら進む
そんな世界を二人で 一生 いや、何章でも
生き抜いていこう
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「だから、私は退屈が嫌いなの。」
余計なことなんて考えなくていいように。
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#クイーンオブハート
#FT
#Fairytellers
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