声劇台本『Blue Sky,Starry Sky』
【台本】とせ【演者】◇ユウチカ キツビ ◆
声劇台本『Blue Sky,Starry Sky』
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コピペです。
《台本》
ベガ(織姫)◇
アルタイル(彦星)◆
◇それは年に一度
天に星を散りばめて
再会を遂げる 奇跡の夜
(音が一瞬止まる)
◇「今年は貴方に逢えるかな?」
◆「今年は君に逢えるかな?」
◇早く逢いたいと気持ちが私を急かす
◆早く逢いたいと体は勝手に走り出す
(流れるような音から廻り出すような音へ)
◇貴方の元へ
◆君の元へ
◇貴方に逢いに
◆「ベガ?」
◇私達はいつしか消えゆく
運命(さだめ)なんだね。
◆そんな事分かっていた。
分かってたはずだったのに。
◆願ってしまう。
星を辿ればまた君に逢えると。
君はまだ何処かにいると
そう信じたかった。
◇何千年何万年もかけて
誰かに私達の灯火を見つけてもらうの。
人々が見る頃には
私はもう、そこにいないかもしれない。
(音が大人しくなっていく)
◆ねぇ、ベガ
いい所を見つけたよ。
此処なら君がいるんだ。
もういるはずのない君が
君が、見えるんだ。
ねぇ、ベガ
君に逢いたい。
《あらすじ》
形あるものはいつしか消えてなくなる。星もまた、いつか消えゆくもの。今届いている小さな光が存在しているかどうかなんて誰も知らない。私達が見ているのは、ずっと昔の輝きなのだ。
年に一度、七夕の夜。星を散りばめて川をつくり、アルタイルとベガは再会を遂げる。これが地上で言う、七夕伝説。織姫と彦星の物語。
「ベガはちっとも変わらないな。」
「アルもでしょ?」
「そうだな。来年もまた逢おうな。」
「えぇ、約束よ。愛してる。」
二人は毎年のように七夕の夜に逢えると思っていた。消えゆく運命を知りながら。
「ベガ?ベ、ガ?ベガ!どこだよ、どこに居るんだよ!」
ある年の七夕。ベガはついに来なかった。哀しくも、その時が来てしまったからだ。
「ベガ…」
信じきれないアルタイルは旅に出た。ベガが見える場所を、ベガに逢える場所を求めて。
そして、辿り着いた場所は『地球』。ベガの星を見つけると、アルタイルの瞳から零れ落ちる涙が頬を伝い、きらきらと光っていく。
「ベガ、見つけた。」
アルタイルは毎年、七夕の日に地上に降りるようになった。星の煌めく空に、想い人を見つける。
それでも、心に空いた隙間は埋まらない。
「今夜だけでいい。君に、君に逢いたい。」
星はいつまでも煌めくだけだった。
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