【朗読台本】self
ふわり桜
【朗読台本】self
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まだまだ途中です。
グラウンドから剥がれた白線が
朝焼けの空を昇っていく
-あの一続きのレーンを真っすぐ
どこまでも走っていけたら-
忙しなく吐き出す
雲みたいな息で
ほどけかかった靴ひもをいま
決意のように結ぶ
天窓につながる踊り場、ここがわたしのアトリエ
光の傾斜 ピアノの調律
真新しい紙のにおい
春がこんなにも透明で 隔った鼓動なら
球根にねむる花は
色をまだ、知らない
まるでメトロノーム
軽快なラリーに耳を澄ます
君の笑い声に鍵盤の指は止まってしまうから
(BPM65)
(tempo rubato , con amore)
スイングする君と壁越しの
セッションをしよう
完成しないスケッチ
独りよがりのデュエット
それを助走だといって大人は笑うだろうか
砕けた木炭の粉が光の階段を登っていく
私の色は
ここに
いま、ここにある
地平線まで駆けていきたい
この腕で、この指で
透明なピアノはどこまでも
どこまでも続くから
空を跳ねるしなやかさで
芽吹くように繊細に
愛おしい音を
二度と鳴らない
いまを
奏でていたい
ここで
コメント
4件
- ヨウ
- 又三郎コラボさせて頂き有難う御座いました🎶
- ヨウ
- mami🌸おおお コラボでの朗読てステキですねえ (*´꒳`*)めちゃよかたですう